不妊患者の流産後の次の自然妊娠までに要する期間

不妊改善・生殖医療関連

2009年05月28日

Fertility and Sterility

不妊患者が自然妊娠後流産したとしても、その後、不妊治療を受けなくても、再び、自然妊娠に至る期待が持てることが、オランダで実施された試験で明らかになりました。

オランダの38の不妊治療クリニックに通院する5663組のカップルは、調査開始の1年以内に1098組(19%)が治療に頼ることなしに自然妊娠しました。

1098組のカップルのうち18%の199組のカップルが初期流産に終わりました。カップルの妊娠に至るまでの平均の不妊期間は1年半、女性の平均年齢は33.8歳でした。

研究チームは、この199組を対象に、流産の後、再び、自然妊娠に至るまでの期間を調べました。

その結果、2年間の追跡調査が実施できた171組のカップルにおいて、流産後2年以内に95組(56%)が、再び、自然妊娠に至り、その95組のうち86組(全体の50%)は妊娠が継続し、9組(5%)が流産に終りました。

累積妊娠率を算出すると、12ヶ月では45%、18ヶ月では63%、24ヶ月では70%とのこと。

そして、女性の年齢は、流産後の妊娠率に影響及ぼしましたが、不妊期間や男性精子の運動率、フーナーテストの結果は、流産後の妊娠率に大きなな影響を及ぼすことはありませんでした。

また、32組(19%)のカップルは、最初の流産後12ヶ月以内に不妊治療を受けていましたが、不妊治療を受けなかったカップルに比べて、妊娠に至る期間において大きな差がみられませんでした。

コメント

絶対的な不妊原因は見当たらないけれども、何らかの原因で、たまたま、一時的に妊娠する力が低下しているカップルにとっては、不妊治療をどうするかを検討するうえで、大変参考になる報告です。

なかなか授からない期間をへて、自然妊娠したけれども流産に終ってしまった場合、女性の年齢が35歳以下であれば、1年くらい、1年半を超えない程度に、自然妊娠を期待して様子をみてもいいのではと、研究チームは結論づけています。