男性の食事中の葉酸レベルが精子の染色体異常と関連する

男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

2008年03月21日

Human Reproduction

葉酸は男性の精子に染色体異常を生じにくくさせ、子どもの先天性異常を予防することが、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の試験で明らかになりました。

研究チームは、89人の非喫煙の健康な男性の精子のX、Y、そして、21番染色体異常と、食生活についての調査を通して、食事やサプリメントからの亜鉛や葉酸、ビタミンC、ビタミンE、βカロチンの摂取量との関連を調べました。

その結果、葉酸の摂取が多い(722~1150μg/日)男性は、葉酸の摂取量が少なく男性に比べて、精子の染色体異常(異数倍数体)の割合が20~30%低いことが分かりました。

このことから、葉酸を豊富に摂取すると、男性の精子の染色体異常が生じにくくなることが示唆されたとしています。

コメント

研究チームは、葉酸と精子に染色体異常の相関関係が、すなわち、 葉酸が、直接、精子の質を高めるということにはならないとし、それらの因果関係をさらなる研究で調べる必要があるとしています。

ただ、男性の食生活や栄養状態は、精液の質に影響を及ぼし、妊娠させる力を左右するとし、子どもをもつことを望む男性は、女性と同様に、1日400μgの葉酸を摂取するのがよいとしています。

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