ES細胞からつくった精子でマウスの子が誕生

不妊改善・生殖医療関連

2006年07月11日

REUTERS

ドイツのUniversity of GettingenのKarim Nayermia教授らの研究グループは、マウスの初期胚からES細胞(胚性幹細胞)を取り出して、精子に成長する細胞を選別し、受精可能な段階まで成熟させた後、体外受精させて雌のマウスの子宮に移植したところ、7匹の子供が誕生しました。

そのうち、6匹が成人のマウスまで成長しました。

今回のマウスを使った実験の成功は、人間の男性不妊に応用できるのではないかとしています。

コメント

ES細胞とは、初期の胚の一部で、生殖細胞を含むあらゆる種類の細胞に分化する能力があり、万能細胞ともいわれています。

そのため、人工的に臓器細胞を作って、再生医療への応用が注目されています。

研究には受精直後の胚が必要なため、ヒトのES細胞の研究については、その倫理的な問題を指摘されているため、限定的にしか、認められていません。

今回、マウスを使って、ES細胞からつくった精子を受精させ、子供が誕生することに成功、世界で始めて、ES細胞からえた精子の受精能が確認されたとのこと。

ただし、生まれた子マウスには先天性の異常がみられたり、早死しているようで、すぐに、人間の不妊治療への応用が難しいとも伝えています。

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