胚の質こそが体外受精の成功のカギである

不妊改善・生殖医療関連

2006年06月01日

Human Reproductin June 2006 online edition

体外受精の成功は、得られた胚の"数"ではなく、"質"によると、フィンランドの研究が明らかにしました。

母親になる女性の年齢が高くなればなるほど、生殖力が低下するために、体外受精時には、複数の胚を移植する傾向にあります。

ところが、母親にも子供にも健康リスクの大きい多胎妊娠が増加するため痛し痒しなところです。

フィンランドのthe University of Ouluの研究者らは、36~39歳の女性でも、質のよい単一胚移植でも、2個移植に比べて、同レベルの妊娠率であると発表しています。

研究を指揮したDr. Hannu Martikainenは、胚の"数"よりも、"量"が問われるとして、研究の結果は、体外受精の成績は、女性の年齢ではなく、胚の質で決まることを示唆するものであると指摘しています。

研究は、36~39歳の女性の新鮮胚を用いた1,224周期、凍結胚を用いた828周期のそれぞれの治療周期の治療成績を調べています。

その結果、3分の1の単一胚移植を受けた女性が妊娠し、若い受精の成績と同レベルで、そして、新鮮胚の単一移植の場合の妊娠率も複数胚の移植と同レベルだったにもかかわらず、多胎率は単一胚移植では2%以下だったのに、複数の胚を移植したグループでは17%だったとのことです。

さらに、40歳以上での成績を調査する予定であるとしています。

コメント

妊娠率を高く、多胎率を低く、という相反するテーマを、いかに克服するかが、高度な生殖医療の最新のテーマの1つです。

そして、その答えは、選択式単一胚移植のようです。

質のよい胚を1つだけ移植するというものです。

これまでも、成績は分らないという研究結果が報告されていましたが、今回のフィンランドの研究は、比較的高齢な女性を対象としています。

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