腹腔鏡手術による卵巣の子宮内膜腫切除で妊孕性は低下しない

不妊改善・生殖医療関連

2006年01月02日

American Journal of Obstetrics and Gynecology DEC.2005

腹腔鏡手術によって子宮内膜症性嚢腫を切除した場合の卵巣機能の低下は、"質的なもの"ではなく、"量的なもの"であると、イタリアの研究者が報告しました。そして、重要なことは、腹腔鏡手術は、術後の妊娠を十分に期待できる治療法であると指摘しています。

卵巣にできた子宮内膜症が原因でできる卵巣嚢腫は、別名、チョコレート嚢腫とも呼ばれ、嚢腫には、しばしば、卵巣組織が含まれます。

イタリアのミラノの大学(Universita Degli Studi di Mikano )の研究チームは、過去に腹腔鏡手術による卵巣嚢腫切除を受けて、体外受精や顕微受精等の不妊治療によって妊娠を希望する38名の女性を対象に、不妊治療での卵巣刺激の結果を調べました。

それによりますと、腹腔鏡手術後、質のよい卵胞の数は60%、卵子の数は53%、胚の数は55%、そして、質のよい胚52%と、それぞれ、数は減ったものの、受精率やグレードのよい胚の割合は、一般(手術を受けていない)の人と同等でした。

研究チームは、受精率や良好なグレードの胚の割合は、過去の子宮内膜腫の切除の影響を受けないと結論づけています。

コメント

卵巣嚢腫とは、卵巣にできる腫瘍で良性のものに分類されていますが、卵巣にできた子宮内膜症が原因でできる嚢腫は、卵巣嚢腫の一つとされています。

今回、報道された研究は、腹腔鏡手術によって嚢腫を切除した後でも、採卵数等が減少するものの、受精率やグレードのよい胚を得られる割合には、変化がなかったとして、妊娠する力は低下しないことを明らかにしました。

■参考サイト:
「卵巣嚢腫」
「チョコレート嚢腫ってなんですか?」