体外受精児が10万人を超え、2002年は76人に1人

不妊改善・生殖医療関連

2005年01月27日

毎日新聞

体外受精によって国内で生まれた子供が10万人を超えたことが、日本産科婦人科学会の調査で判明しました。

今回集計されたのは2002年の出生数で、年間出生数は115万3855人、このうち、体外受精で生まれた子供の数は1万5223人で、全体の出生数に占める体外受精児の数は1.3%で、76人に1人の割合。

日本で初めて体外受精児が誕生したのが83年で、2002年までの累計の体外受精児は10万189人に達したとのことです。
このうちで、通常の体外受精で生まれた子供が5万5688人、受精卵を凍結保存した後、母体に戻す凍結受精卵による誕生が1万3316人、顕微授精によって誕生した子供が3万1185人で、体外受精児全体の36%を占めています。

コメント

体外受精児が全体の出生数の100人に1人の割合というのが一般的な見解でしたが、2002年には76人に1人の割合にまで増えているようです。
調査の結果は2002年のものですから、現在ではもっと体外受精児の割合は増加しているはずです。

体外受精は元来、卵管に障害があって、卵子と精子が自然に出会うことが絶対に不可能な場合の治療法として確立されましたが、いまや、すべての不妊において、通常の治療で妊娠が望めない場合の治療として一般的になったため、どの時点で体外受精を適応とするか、医師や施設によってのバラツキが大変大きいものがあります。

不妊の当事者は、少しでも早く妊娠を希望しているわけで、高度で、高額な治療ほど妊娠しやすいのではという漠然とした希望的観測を持つには当然と言えますので、今後とも、体外受精や顕微授精による出生児数は増加することは間違いないところでしょう。

ただし、女性のカラダへの負担や経済的負担が大きい治療であることは変わりありませんので、高度な治療でしか妊娠できないのかどうかの見極めを慎重かつ、的確に行った上で、受けるべきであるということが、今後、ますます重要なことになるものと考えられます。