◎タバコ
タバコを吸うと、精子そのものの数が減ったり、運動能力の高い精子の数が減ってしまうおそれがあります。また、精子のDNAの構造を傷つけてしまうことがあります。DNAに傷がついた精子の割合が多くなると、受精しづらくなったり、受精し、妊娠しても、流産してしまいやすくなると言われています。さらに、タバコはED(勃起不全)を招きやすいとの報告もあります。
あと、受動喫煙の害も知られており、女性はタバコを吸わなくても、パートナーの男性のタバコの煙(副流煙)のせいで、妊娠する力が低下してしまうことがあります。
もちろん、タバコの影響については、個人差も大きいものですが、お子さんを望む男性は、禁煙するに越したことはありません。
◎お酒
大量のお酒を飲み続けていると、男性の生殖ホルモンレベルにマイナスの影響を及ぼし、精子の数が減ってしまうことがあります。また、長期間、大量のお酒を飲み続けると、勃起障害や射精障害などの性機能が低下するおそれがあります。自身の健康のためにも、適量の飲酒を心がけたいものです。
◎食生活
偏った食生活や加工食品やファーストフードをよく食べると、精液の質が低下してしまうおそれがあります。自身の健康のため、そして、精子の健康のために、バランスよく食べることが大切です。
◎肥満
肥満は女性の妊娠する力を低下させるだけでなく、男性の妊娠させる力をも低下させます。BMI(体格指数)が大きくなるほど、精子の運動能力が低下してしまうおそれがあります。◎禁欲期間
禁欲(射精しない)期間が長くなるほど、精子の数は増えますが、つくられてから時間がたつ精子が多くなり、精子の劣化が進んでしまいます。妊娠に大切なのは、精子の数よりも、動きや形、すなわち、質です。そのため、禁欲期間が長くなると、精子の質の低下を招き、かえって、妊娠しづらくなってしまいます。
◎過激な運動
適度な運動は精子の健康のためにもとても大切ですが、激しすぎる運動は、それによって発生する活性酸素の量が著しく増加するため、かえって、精液検査の各項目の数値、特に、奇形精子の割合が増える傾向が見られます。トライアスロンなどの激しい運動をする男性は、野菜や果物の豊富な食事やサプリメントなどで抗酸化作用を高めるように心掛けることが大切です。