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男性不妊

サバイバルジャーニー

2011年10月26日

射精時:1億個⇒子宮内:1千万個⇒卵管内:数百個⇒卵子内:1個

射精された精子は、一斉に卵子を目指すわけですが、そこに至るまでの道のりは、精子にとって、決して、安楽な環境ではありません。それどころか、精子は、異物として攻撃、排除されたり、さまざまな障害が待ち受けていたりするのです。

1億個以上の精子が射精されても、卵子の周辺にまでたどり着ける精子は、数百個程度であることが、その苛酷さを物語っています。

大切な卵子と受精するのにふさわしい生命力に溢れる精子をセレクションしているかのようです。

◎射精 ~ 精液と出会う

精巣でつくられ、精巣上体でたくわえられていた精子は、射精の時を迎えると、精管を通って、精嚢液と前立腺液が混じった精液と一緒になり、放出されます。いろいろな分泌液は、精子にエネルギーを供給したり、精液をアルカリ性にしたりして、酸性状態の膣内で精子を守ります。

◎精液の液化 ~ ドロドロ状態からサラサラに

膣内に射精された直後の精液はドロドロした状態なため、子宮への入り口である子宮頸管口に張りつきます。約30分後に、液化し、サラサラな状態になると、精子は子宮に向かいます。ただし、膣内は外部からの細菌などの侵入を防ぐために常に酸性に保たれており、精子は酸性に弱いため、フラフラしている精子はやられてしまいます。

◎子宮頸管をさかのぼる ~ 第一次セレクション

子宮に向かうためには、その入り口である子宮頸管を通過しなければなりません。子宮頸管も子宮を細菌から守るために、普段は粘液の分泌がなく、乾燥気味で、酸性に保たれていますが、排卵が近づくに伴って、頸管粘液の量が増え、そして、精子がより通過しやすい状態に変化していきます。

ところが、そもそも、この粘液は網目構造になっていて、排卵期にはその網目が大きくなるものの、形態や大きさに異常のある精子の通過を阻みます。また、通過しやすくなったとは言え、量の増えた粘液の流れに逆行して子宮に向かうためには、高い運動性能が求められます。そのため、子宮頸管を通過して子宮内にたどり着けるのは射精精子の10分の1~100分の1の100万~1000万個程度だとされています。つまり、子宮頸管粘液は、形態に異常がある精子や運動性能の低い精子を淘汰してしまうわけです。

◎子宮内を卵管を目指して ~ 第2次セレクション

頸管粘液の網目構造と逆流を無事に泳ぎ切った精子たちは、子宮内に入っていきます。ここでは、免疫系の攻撃にさらされるようになります。主に白血球です。子宮内では多くの精子が白血球の攻撃を受けて死滅してしまいます。

また、精子にとって、子宮の内側は山あり谷ありで、途中で、谷から出てこれなくなってしまう精子も少なくないそうです。

さらに、子宮から卵管へ向かうには、もう一つの障害があります。それは、左右どちらの卵管を選択するかということ。つまり、卵巣と卵管は左右両側にあり、原則的には、左右いずれかの卵巣から排卵されているからです。一説によると、精子は、卵胞液から発せられる匂いに反応し、卵子の待つ卵管へ向かうとのこと。

いずれにしても2つの関門を通過できた精子だけが卵管へ向かうことになります。その数は、1,000個以下に減っています。

◎卵管膨大部で卵子を待ち伏せる

ついに卵管に入った精子の一部は、ここで卵子との遭遇に備えて、それまでの直進運動から、突然、激しく頭をふりだし、ジグザグ運動をするようになります。ハイパー・アクティベーション(超活性化)と呼ばれる現象で、受精能獲得のためだそうです。

そして、卵管膨大部で、排卵されてくる卵子を待ちます。精子の数は数百個になっています。

◎一番のりを目指して

あり得ない確率で卵子の周りの卵丘細胞を、最後の力を振り絞って壊し、卵子を取り囲む透明帯にたどりつくと、精子の頭部がはがれ(先体反応)、卵子の中に進入します。

step1 基礎知識

精子と卵子が出会うまで

精子力に影響を及ぼすもの

男性不妊とは?