HOME 》 妊娠するということ
 
 
 
すぐに妊娠するものと、漠然と思っていたのになかなか妊娠しない。
そして、その期間が長くなると、 なんで妊娠しないんだろう?、
いったいいつになれば・・・、 ひょっとすれば、このままずっと・・・、というふうに、
誰しも初めての経験であり、 なんの準備も用意もないのが普通ですから、
焦りとともに、不安な気持ちが徐々に大きくなってきます。
そして、意を決して、病院へ。
ところが、病院に行ったら行ったで、 普通の病気や怪我とは異なり、
直ぐに原因が判明し、 治療がスタートするなんてことは滅多にありません。
なにせ男性の検査は1回で済みますが、
女性の場合には、 受けるタイミングが限定される検査もあって、
一通りの検査を受けるのに場合によれば、 数カ月もかかったりします。
そして、検査の結果、どこも異常なし、 なんてことになると、 いよいよわけが分からなくなってしまいます。
このように不妊を改善するというのは、
とにかく、暗闇を手探り状態、ということにならざるを得ません。
ならば、精神衛生上からも、 これからの見通しくらいは立てたいものです。

必要なのは気休めやなぐさめの類の精神論ではありません。
出来るだけ事実を客観的にとらえて、
自分達が今、どこにいるのかを把握することしかありません。

 

要するに、何をもって、妊娠しやすいとか、妊娠しにくいというのか、
さまざまな数字から探ってみましょう。

   
   
 
■1周期あたりの妊娠率
何の問題もない男女の1周期あたりの妊娠率は、
だいたい20%から30%と言われています。
この妊娠率を高いと見るか、低いと見るかは、人、それぞれの主観ですが、
どうでしょうか?
人間って、意外に妊娠しづらい生き物だと思いませんか?
■累積妊娠率
仮に、1周期あたりの妊娠率を25%とすれば、
1回の周期に妊娠するカップルは100組中25組です。
その次の周期には、残った75組中19組が妊娠することになりますから、
2回目の周期までに44組が妊娠することになり、累積妊娠率は44%になります。
3周期目になると56組中14組ですから3周期目までに58組が妊娠し、
累積の妊娠率は58%です。
 

★100組のカップルはどれくらいの確率で妊娠していくのか
(1周期あたりの妊娠率を25%とした場合の累積妊娠率)

 
 
周期 妊娠したカップル数 累積妊娠数 累積妊娠率
1 25組 25組 25%
2 19組 44組 44%
3 14組 58組 58%
4 11組 69組 69%
5 8組 77組 77%
6 6組 83組 83%
7 4組 87組 87%
8 3組 90組 90%
9 3組 93組 93%
10 2組 95組 95%
11 1組 96組 96%
12 1組 97組 97%
 
 

このように12周期目、要するに、1年で、 ほとんどのカップルが妊娠する計算になります。
この数字の推移から、 1年間妊娠しなければ「不妊症」であるとする考えが出てくるのです。
そういうふうに言われれば、 1年間、妊娠しなかったら、
もう、私は不妊症だと思い込んでしまうでしょう。

ところが、気をつけなければならないのはこの数字は、
1周期当たりの妊娠率を25%とした場合の単純な累積妊娠率です。
いわば机上の論理なのです。
 
 
  妊娠しにくいのかどうかは、不妊期間からだけでは分かりません。
なぜなら、たとえ、どこにも異常のないカップルでも、
女性の年齢によって、妊娠のしやすさは左右されるからです。
   
 
  ■年齢別妊娠までに要した時間   ■年齢別1年間に妊娠する確率  
 
 
縦軸が妊娠までに要した期間(ヶ月)。
横軸が年齢(左のグラフが女性で右側が男性)。
※出典:堤 治著「生殖医療のすべて」から
  縦軸が1年以内に妊娠する確率(%)。
横軸が年齢。
※出典:M.Sara Rosenthal
     「The Fertility Sourcebook」
 
 
 

■「妊娠を望む女性が1年以内に自然妊娠する確率」
(※出典:2004年6月フランス保健医療研究局)
30歳 約75%
35歳 約66%
40歳 約64%

■「妊娠を望む女性が4年以内に自然妊娠する確率」
30歳 約91%
35歳 約84% 
40歳 約64%

■1年間妊娠出来なかったカップルの次の2年目の妊娠率
(出典: 2004年8月アメリカ国立環境健康科学研究所)

1年間避妊しなかったにもかかわらず妊娠出来なかった782組のカップルの追跡調査によりますと、
最初の12周期で妊娠出来なかったカップルの内、
その次の12周期でも妊娠出来なかったカップルの割合
19〜26歳 3%
27〜34歳 5%
35〜39歳 9%

妊娠は全て自然妊娠によるもので、不妊治療は一切受けていません。
 
いかがでしょうか?
妊娠しやすいか、そうでないかというのは、
大変あやふやなもの
のようです。
もっと言いますと、
人間というものは、私たちの印象、もしくは、期待に反して、
もともと、妊娠しにくい生き物である
と言ってもよいかも知れません。
 
もともと人間は妊娠しにくいようにできているのかも知れません。
ですから、なかなか妊娠しないからと言って、
悲観したり、焦ったりするのは早計です。
ましてや、そんなメンタルな不安定さが、余計に妊娠しづらくしているとしたら、
どうでしょう?そんなこともなきにしもあらず、ではないでしょうか。
 
  私たちは決して、ただの気休めをお話しようとしているわけではありません。
あくまで、皆さんに現実を正しく認識して頂き、
悩んだり、考えたりする対象を間違えないで頂きたいのです。
ここまでの数字をご覧頂いてご理解頂けたかと思いますが、
実は一番の不妊因子、というか、妊娠しにくくさせる因子は年齢です。
ズバリ!歳をとればとるほど、条件が悪くなるということ、です。
悲しいけれど、それが現実です。
お子さんを妊娠するだけでなく、出産においても、です。
ただし、だからと言って、諦めたり、卑屈になる必要はありません。
なぜかと言いますと、人間のカラダの年齢、要するに“老化度”は、
決して、その年齢通りではないことは、皆さん、よくご存知です。
努力次第で、若さを多少は取り戻したり、維持したりすることは十分に可能です。
その証拠に、“老化度” ほど、個人差の大きいものはありません。
さて、年齢以外の妊娠しにくくさせる、もしくは不妊の因子、 これはいろいろあります。
       
 
 
 
 
 
  妊娠を望んでも1年以上妊娠できなかったカップルが、
不妊専門クリニックに通院した場合、
どのような治療で妊娠に至ったかを見ることにします。
実際の医療現場の状況というのは、 なかなか外からは把握することは困難です。
それぞれの施設によって、 治療方針や得意とする分野、治療法、
さらには、患者の年齢構成や不妊原因、難治が、大きく異なるのが現実です。
それによって、数値も大きく異なってしまいます。
ここでは、出来るだけ負担のかるい治療で妊娠を目指し、
体外受精等の高度な治療への適応条件を厳しくしている、
不妊専門の大型施設の数値を参考にしていと思います。
■1年間の不妊期間をへて、不妊専門クリニックに通院を始めた女性が妊娠に至った治療内容の内訳
タイミング指導・・・・・・・・・70%
人工授精・・・・・・・・・・・・・15%
体外受精/顕微授精・・・15%
妊娠した方の約7割は、タイミング法による自然妊娠です。
もちろん、薬や注射による卵巣刺激を受けた方も含んでいます。

いかがですか?
不妊治療と言えば、人工授精や体外受精などの治療をイメージしがちですが、
取り組み方次第では、ほとんどが、自然妊娠されているようです。
不妊治療においては、
出来るだけカラダへの負担の軽い治療法で妊娠を目指すことが重要なテーマの一つです。
そのためには、いかに、複合的、変動的な不妊の原因を的確に見極め、
状況に応じた薬や注射の処方等、
いわゆる、“医師の見識と技量”が、最も試されるところではないでしょうか。
なぜなら、直ぐに、高度な治療へステップアップすることは、
ある意味、安易な方法であるからです。

   
 
   
  なかなか妊娠しないことに悩みだしたカップルにとって、
まずは、予め期間を設けてセルフのタイミング法を実践してみることが、
有効な方法になる可能性が高い。
   
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