精液検査不良の男性では食事パターンと精子の質が強く関連する

生活習慣・食事・サプリメント

2017年03月17日

Fertility and Sterility

精液検査不良の男性では健康的な食事パターンと精子の質は強く関連することがオランダで実施された研究で明らかになりました。

エラスムス大学の研究グループは妊娠前後のカップルの健康状態や食生活、生活習慣が妊娠しやすさや胎児の健康への影響についてのコホート研究(the Rotterdam Periconception Cohort)に参加し、妊娠したカップルの男性を対象に食事パターンと精液の質との関係を調べました。

2010年11月から2014年11月の間にパートナーが出産予定の12週間前の129名の男性に食物摂取頻度調査票を使って食事パターンを調べ、「健康的な食事パターン」と「不健康な食事パターン」の2つの食事パターンへの強弱を評価しました。「健康的な食事パターン」は、シリアルや果物、豆類、野菜、オリーブオイルを、「不健康な食事パターン」は、乳製品やマヨネーズ、マーガリン、ソース、スナック菓子、甘味菓子をよく食べるパターンとしました。また、精液検査結果の総運動精子数が1000万以上を正常精子数としました。

その結果、健康的な食事パターンは良好な精子濃度や運動率と有意に関連し、総運動精子数が1000万以上と未満のグループに分けたところ、総運動精子数が1000万未満のグループのみ、健康的な食事パターンと良好な精子濃度や運動率と有意に関連することがわかりました。

このことから健康的な食事パターンは良好な精液所見に関連すること、特に精液検査不良の男性で強く関連することがわかりました。

コメント

男性の食事パターンと精液の質、特に、精液検査の結果が思わしくない男性で強く関連することがオランダの研究で確かめられました。エラスムス医科大学は、妊娠前後のカップルの生活習慣や食生活、環境と妊娠しやすさや子の健康との関連研究については、世界で最も積極的に取り組んでいます。

食生活は文化の影響を強く受け、それぞれの地域で食習慣が異なりますが、これまで、ヨーロッパだけでなく、アメリカでも、アジアでも、食事パターンは精子の質と関連することが確かめられています。

いずれも観察研究であること、そして、妊娠率や出産率との関連までは調べられていないものの、お子さんを望むカップルは健康的な食生活を心がけることが大切であるとしています。