男性パートナーの食生活や生活習慣と顕微授精治療成績の関係

男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

2011年11月28日

Fertility and Sterility

男性パートナーの食生活や生活習慣などのライフスタイルは、精子濃度や精子運動率、顕微授精の治療成績に影響を及ぼすことが、ブラジルで実施された試験で明らかになりました。

サンパウロの不妊治療クリニックで顕微授精を受けている250組のカップルの男性パートナーを対象に、治療に入る前に食生活や生活習慣についてのアンケートを実施し、精液検査の結果や顕微授精の治療成績への影響を調べました。

女性側の治療成績に影響を及ぼす要因を排除した結果、以下のような関係が明らかになりました。

◎男性パートナーの高い肥満度や飲酒は、精子濃度にマイナスの影響を、反対に、シリアルを食べることや欠食がないことはプラスの影響を及す。
◎男性パートナーの高い肥満度や飲酒、喫煙は運動率にマイナスの影響を、反対に、果物やシリアルを食べることはプラスの影響を及ぼす。
◎男性パートナーの飲酒は顕微授精の受精率にマイナスの影響を及ぼす。
◎男性パートナーの肉食や減量によるダイエットは顕微授精の妊娠率にマイナスの影響を及ぼす。

以上のことから、不妊治療に臨むカップルは、女性だけでなく、男性パートナーにもライフスタイルを見直すようにアドバイスされるべきだと結論づけています。

コメント

男性パートナーの食生活や生活習慣は、精液検査の結果や精子のDNAの損傷度に影響を及ぼすことは、これまでにも多くの報告がなされています。

ところが、今回の試験では、顕微授精の治療成績との関係まで調べており、飲酒や肉食が顕微授精の治療成績にマイナスの影響を及ぼすことを確かめています。

たとえ、顕微授精でも、ライフスタイルを見直し、精子の質を高めておくことで、パートナーの妊娠の可能性が高まることがわかったわけです。