原因不明不妊の第一選択の治療方法別の妊娠率とコストの比較

不妊改善・生殖医療関連

2011年01月12日

Human Reproduction

原因不明不妊の第一選択療法(最初の治療法)として、タイミング法を選択しても、クロミフェン療法を選択しても、人工授精を選択しても、妊娠率にはそれほどの差は見られないことがイギリスで実施された試験で明らかになりました。

イギリスの研究グループは原因不明不妊と診断された580名の女性患者を、第一選択療法として、タイミング法を選択するグループ(193名)、クロミフェン療法を選択するグループ(194名)、自然周期の人工授精を選択するグループ(193名)に無作為の分けて、半年後の妊娠率と治療に要したコストを比較しました。

その結果、タイミング法では32名が妊娠し(17%)、クロミフェン療法では26名(13%)、人工授精では43名(22%)が妊娠に至り、治療法による妊娠率に大きな違いは見られませんでした。

また、それぞれの治療法における出産に要した平均コストは、タイミング法で£72、クロミフェン療法で£2611、人工授精で£1487でした。

コメント

原因不明不妊と診断された場合、取りあえずクロミフェンを処方されることがありますが、最初の治療法としては、タイミング法を半年間続けるほうが、妊娠率が高く、コストもかからないことが分かります。

不妊期間や年齢にもよりますが、原因不明不妊の最初の治療法は半年間のタイミング法がベストな選択のようです。