肥満女性のPCOSへの不妊治療は生活習慣の改善が最も有効

不妊改善・生殖医療関連

2009年05月29日

Fertility and Sterility

肥満女性のPCOSのよる排卵障害の改善は、排卵誘発剤や糖尿病薬よりも生活習慣の改善が最も有効であることが、イランで実施された試験で明らかになりました。

343名のPCOSの不妊患者を、クロミフェン(排卵誘発剤)を摂取するグループ(90名)、メトフォルミン(糖尿病薬)を摂取するグループ(90名)、クロミフェン+メトフォルミンを摂取するグループ(88名)、生活習慣を改善するグループに分けて(75名)、月経周期や腹囲、血中のホルモン数値、そして、臨床妊娠率を比較しました。

その結果、生活習慣を改善したグループでは腹囲の減少、血中の男性ホルモン濃度の低下が顕著で、妊娠率は、クロミフェングループが12.2%、メトフォルミングループが14.4%、クロミフェン+メトフォルミングループが14.8%、生活習慣改善グループが20%と、生活習慣の改善が最も有効でした。

このことから、肥満女性のPCOSによる排卵障害に対しては、生活習慣の改善を第一選択とすべきであると結論付けています。

コメント

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因については、さまざまな背景があるようで、明確には特定しづらいようです。

それに伴う無排卵や排卵障害の改善について、肥満によるPCOSの場合には、食事や運動などの生活習慣を改善し、適度に減量することが最も有効なようです。