妊娠前後のマルチビタミン摂取と妊娠高血圧腎症の予防の関係

生活習慣・食事・サプリメント

2009年05月26日

American Journal of Epidemiology

妊娠の前後にマルチビタミンを摂取していた女性は、妊娠高血圧症候群の一つである、妊娠高血圧腎症にかかりにくくなることが、アメリカの大学の調査で明らかになりました。

1997年~2003年までのデンマーク全国出生コホート(Danish National Birth Cohort)に参加した、28601人の妊婦を対象に調査を実施したところ、64.9%にあたる18551人の妊婦が妊娠前後にマルチビタミンを摂取しており、2.3%にあたる668人の妊婦が妊娠高血圧腎症を発症していました。

妊娠前後の12週の間マルチビタミンを摂取していた BMI(体格指数)が正常(22)な妊婦は、マルチビタミンを摂取していなかった同じBMIの妊婦に比べて、妊娠高血圧腎症に発症するリスクが20%低いことがわかりました。

ただし、葉酸のみのサプリメントを摂取していた妊婦では、リスクの低減はみられませんでした。

このことから、妊娠前の女性は、葉酸だけでなく、マルチビタミンのサプリメントの摂取すべきであると結論づけています。

コメント

妊娠高血圧腎症とは、以前は妊娠中毒症とよばれていて、妊娠中のもっとも気をつけたい病気である「妊娠高血圧症候群」の典型的な病態で、症状は、高血圧と蛋白尿です。

妊娠前の女性の栄養状態は、健全な妊娠に多大な影響を与えるようです。

さまざまなリスクが高くなる年齢にある女性ほど、妊娠前からマルチビタミンのサプリメントを摂取することが大切です。