ストレスは精液の質を低下させる

男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

2009年02月26日

Fertility and Sterility

ストレスを感じることで、男性の精液の質が低下することが、アメリカで実施された疫学調査で明らかになりました。

調査(the Study for Future Families)は、アメリカの5つの州の大学病院に妊婦検診に訪れた妊婦のパートナー744名を対象にしたもので、2回の精液検査と精液の質に影響を及ぼすと考えられるさまざまな要因についてのアンケートを実施しました。

2回の精液検査の精液は3週間あけて、2~5日間の禁欲期間後に採取されました。

その結果、精液採取前にストレスを感じるできごとが2回以上あったと答えた男性は、なかったと答えた男性に比べて、精液検査の結果がWHOの基準を下回る割合が高いことが分かりました。

このことからストレスは精液の質の低下に関係するのではないかと結論づけています。

コメント

疫学調査、the Study for Future Familiesはこれまでも、男性の精液の質に影響を及ぼすものについて、さまざまな報告がなされています。

今回、対象となった男性とそのパートナーは、いずれも不妊治療を受けることなく、妊娠しています。

つまり、不妊症と診断されたり、不妊治療を受けたりしない男性でも、ストレスの影響で、精液検査の結果が、WHOの基準を下回ることがあり得るということです。

ですから、お子さんを望む男性は、ストレスマネージメントを心がけること、また、精液検査で基準を下回ったとしても、則、男性不妊と決めつけるのは早計であると言えるかと思います。

WHOの基準は以下の通りです。

  • 精液量 2.0ml以上
  • pH 7.2以上
  • 精子濃度 2,000万/ml以上
  • 総精子数 4,000万/ml以上
  • 精子運動率 運動精子50%以上
  • 精子正常形態率 15%以上
  • 精子生存率 75%以上

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