男性不妊と精巣ガンの発症リスクとの関係

基礎知識

2009年02月24日

Archives of Internal Medicine

男性不妊患者は精巣がんの発症リスクが高いことが、アメリカで実施された試験で明らかになりました。

試験は、1967年から1998年の間に、アメリカのカリフォルニア州の不妊治療クリニックで不妊治療を受けたカップルの男性、22562名(内4549名が男性不妊と診断)を対象に実施されました。

その結果、22562名のうち34名の男性が不妊治療終了後1年以内に精巣がんと診断され、男性不妊と診断された男性の精巣がんの発症率は、一般的な精巣がんの発症率に比べて2.8倍高いことが分かりました。

男性不妊と診断された男性は、不妊治療においては、外科的な治療やホルモン療法等は受けていないことから、精巣がんの発症リスクが高いのは、DNAの損傷度合いやその修復能力、あるいは、環境的な要因が作用しているのではないかとしています。

コメント

精巣がんは、若い男性に多く発症するがんの一つで、その原因は不明であるものの、停留こう丸だった男性に多く発症することが知られています。

報告では、男性不妊患者に精巣がんの発症リスクが高かったことの原因は不明としています。

ただし、精巣がんは、精子を産生する細胞に発生するわけですから、停留こう丸をはじめ、精子の造成能力を低下させる要因との関係が考えられるところです。

いずれにしても、現代社会では、男性の精子をつくる働きが、食生活やストレス、環境中の有害物質等の要因で低下していることが指摘されています。

バランスのよい食生活で抗酸化作用を高めたり、ストレスをマネージメントしたりすることで、精子を守るという意識が大切なようです。

キーワード