化学物質(過フッ素化合物)が妊娠する力を低下させる可能性

妊孕性に影響する因子

2009年01月30日

Human Reproduction

こげつき防止のテフロン加工調理器具や汚れのつかない家具やカーペット、防水加工のレインコート、また、紙製食品容器などに広く使用されているPFOSやPFOAなどの過フッ素化合物が、女性の妊娠する力を低下させる可能性のあることが、 アメリカの大学の調査研究で明らかになりました。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームは、妊娠4~14週のデンマーク人女性、1240人を対象に、初めての妊婦検診の際に血中のPFOSとPFOA濃度を測定し、お子さんを希望してから、妊娠までに要した期間を調べたところ、過フッ素化合物の血中濃度が高い女性ほど妊娠までに長い時間を要したことが分かりました。

過フッ素化合物の血中濃度別に4つのグループに分けた結果、PFOS濃度では、最も濃度の低いグループの女性に比べて、濃度の高い3つのグループの女性は、70~134%不妊になる確率が高く、PFOA濃度では、同様の確率が60~154%だったとのこと。

尚、妊娠までに1年以上要したケースを不妊としています。

この結果から、過フッ素化合物は環境ホルモンとして体内で働くことで、妊娠する力を低下させ、不妊のリスクを高める可能性があるとしています。

コメント

過去にも、過フッ素化合物の血中濃度が高い妊婦は、出生体重の低いお子さんを出産するリスクが高まるとの報告がなされています。

また、ヨーロッパやカナダでは、過フッ素化合物の使用規制に向けての動きが活発化しているようです。

日本でも、人への長期毒性の疑いありとして、第二種監視化学物質に指定されてはいますが、規制はありませんし、規制しようとの動きも、今のところありません。

人体への有害が懸念される環境ホルモンについては、本当のところはどうなのか、判断しづらいものです。

また、今回の報告でも、血中濃度を1回測定しただけであり、相関関係は確認されましたが、因果関係が証明されたわけではありません。

ですから、あくまで、"あやしそう"ということであって、過フッ素化合物=不妊を引き起こすと断定できるものでは、決して、ありません。

現実的な話しとしては、適度な運動を習慣化し、ゆっくりと入浴時間を確保して、いい汗をかいて、不要な物質をカラダから効率的に排泄することを意識するということになるでしょうか。

あわてて、デトックスにお金をかける必要はありませんし、デトックス効果以外の健康効果も得ることができます。

この手の情報はどうのように受け取るかが大切ですね。