ビスフェノールAが妊娠する力に及ぼす影響について

妊孕性に影響する因子

2008年11月15日

the American Society for Reproductive Medicine conference in San Francisco

アメリカ生殖医学会の学術会議にて、食品用の容器などの原料に使用されていることから、内容物の食品に移行し、健康への悪影響が懸念されている化学物質、ビスフェノールAの妊娠する力への影響について、3件の研究報告がなされました。

カリフォルニア大学の研究チームは、体外受精を受けている41人の女性、31人の男性を対象に、血中のビスフェノールAを調べたところ、女性の被験者の93%、男性の被験者の81%からビスフェノールAが検出され、彼らは妊娠率が低くなる傾向が確かめられたとのこと。

また、ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者は、71人の男性を対象にビスフェノールの暴露レベルの調査と精液検査を実施したところ、相関関係は確認できなかったとのこと。

3つ目は、カリフォルニア大学の研究者は、子宮の細胞にアメリカ人女性の平均的な暴露レベルのビスフェノールAを暴露させたところ、細胞分裂のスピードが低下することを確かめたとのこと。このことからビスフェノールAに暴露することで、受精卵が着床しづらくなる可能性があるのこと。

コメント

いずれの報告もビスフェノールAが妊娠する力を低下させるとの結論を出すには至っていません。

これからの研究報告に注目していかなければなりません。

ただ、毎食、缶詰を食べるような極端な食べ方をしなければ、通常の食生活で影響が出るほどビスフェノールAが体内に入ることは、まずは、あり得ないと考えてよいとと思います。