女性の年齢と不妊原因の関係

不妊改善・生殖医療関連

2008年03月25日

Human Reproduction

女性が35歳以上になれば、原因不明不妊や卵管因子不妊が、不妊原因に占める割合が高くなることが、イギリスの大学の研究チームの調査で明らかになりました。

アバディーン大学の研究チームは、アバディーン生殖センターに通院する7,172人の女性を対象に年齢と不妊原因を調べました。

原因不明不妊の女性は、34歳以下(5,243人)では21.0%だったのに対して、35歳以上の1,929人では26.6%でした。

また、35歳以上で不妊原因が卵管因子である女性の割合は、34歳以下の女性に比べて2.2倍でしたが、排卵障害は、70%少ないことが分かりました。

コメント

女性が高齢になればなるほど、原因不明不妊が増えるのは、卵子の質の低下によるものと考えられます。

今回の年齢と不妊原因の関連についての報告は治療方針を検討するうえでとても重要です。

年齢に伴う卵子の質の低下は高度生殖医療でも治療出来ません。

このことは体外受精や顕微授精の治療効果は、卵管に問題がない限り、年齢が高くなるにつれて薄れてくるとも言えます。

つまり、高齢になるに従って、治療法よりも、質の高い卵子が排卵される周期を逃さないことが大切になってくるというわけです。

具体的には、毎周期、タイミングを合わせること、そして、高度な治療を受けていても、治療のない周期には、タイミング法や人工授精を受けること等です。