妊娠前の葉酸摂取は子の先天性心疾患を予防する

生活習慣・食事・サプリメント

2007年11月12日

Circulation 2007;Advance online publication

妊娠前の女性に葉酸の摂取を促進するために、小麦粉への葉酸添加を義務化するというカナダの保健政策は、子どもの神経管閉鎖障害の予防だけでなく、先天性心疾患の発症数を減少させたことがカナダの大学の調査によって明らかになりました。

モントリオールのMcGill University Research InstituteのPiloteらの研究チームは、2,238人の出生児を対象に、葉酸添加義務化の前後の出生児の先天性心疾患の発症数を調べたところ、葉酸添加義務化後に出生した子どもは、それ以前に出生した子どもに比べて、先天性心疾患の発症リスクが低下したことを確認しました。

このことから、妊娠前の女性が葉酸を摂取することで、子どもの先天性心疾患の予防効果が得られるとしています。

コメント

ビタミンB群の一種である葉酸には、胎児の健全な発育に寄与する働きがあります。

そのため、妊娠前の女性が葉酸を摂取することで、神経管閉鎖障害や口唇裂、口蓋裂が予防できることはよく知られていましたが、今回のカナダの調査研究で、先天性の心臓病をも予防することが分かったようです。

ただし、葉酸の摂取方法については議論があって、合成の葉酸を単体で摂取することについての安全性について懸念を表明する専門家もいます。基本は食事から摂取するのが理想的なのですが、先天性異常の予防効果が得られる量を確実に摂取するためにはサプリメントによる摂取が必要です。

食べ物から製造したビタミンB群のサプリメントを摂取することが最も安全、かつ、安心です。