つわりがあると流産しにくい

妊孕性に影響する因子

2007年03月21日

British Journal of Obstetrics and Gynaecology

つわりがある妊婦は流産しにくく、カフェインや喫煙、ほどほど、或いは、たまの飲酒、また、妊娠中に仕事をすることは流産するリスクには影響しないことが、イギリスで実施された調査によって明らかになりました。

the London School of Hygiene and Tropical Medicine の研究チームによる調査は、女性の年齢等、これまでの研究で検証されていた以外の流産のリスクに影響を及ぼす要因を明らかにするために、18歳から55歳までの妊娠13週までに流産した603人の女性と、12週以上妊娠が継続した6116人の女性を対象として実際されました。

その結果、 流産のリスクが低いのは、過去に出産経験のある女性やつわりのある女性、また、ビタミンのサプリメントを摂取したり、新鮮な野菜や果物を豊富に食べている女性でした。

特に、つわりのある女性は、流産になるリスクがほとんど70%も低かったといいます。

それに対して、カフェインの摂取や喫煙、適量の飲酒、教育レベルや経済的な環境、妊娠後の仕事の継続等の要因は、流産になるリスクへにの影響は確認されなかったと報告しています。

コメント

流産はほとんどのケースは胎児の染色体異常によるものであるとされています。

母親になる女性の年齢が高くなればなるほど、 受精卵の染色体異常の頻度は高まりますから、女性の年齢が高くなるほど、流産のリスクが高くなることは一般によく知られています。

ところが、流産になるリスクに影響を及ぼすその他の要因については、これまではきちんとした検証がなされているとは言えませんでした。

そんなことから、流産を経験した女性は、自身を責めることがよくあるようです。

そういう観点からは今回の調査は大変意義のあるものです。

調査結果から妊娠が判明した女性へのアドバイスとしては、バランスのよい食事やビタミンのサプリメントを摂取し、強いストレスがないように心がけましょう、ということでしょうか。

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