心理社会的グループ療法が体外受精の不安を緩和する

ストレス

2006年03月20日

Fertility and Sterility Volume85 Issue2 P.339-346 Feb.2006

心理社会的なグループ療法は体外受精を受ける女性がしばしば感じる不安を軽減することが、このほど生殖医療専門誌に掲載された香港大学の研究が示唆しています。

呼吸法やヨガ、瞑想、その他身体の感覚や感情や精神的な健康を改善する技術を駆使した療法で、不安な精神状態を癒し、回復させてくれるものです。

227人の初めて体外受精を受ける女性を対象に、101人には、治療を受ける前に3時間のグループ療法を4回受けてもらったのに対して、残りの126人の女性はそのような療法を受けませんでした。

研究グループは、治療前と治療中に計3回に渡って、被験者の女性に標準的なアンケートによって、不安レベルを測りました。

その結果、グループ療法を受けたグループの女性は、不安や妊娠することへの固執度合いが軽減されたことが分りました。
ただし、治療成績については、明確な差はみられませんでした。

コメント

精神的な不安や心配が、不妊にどのように影響するのか、また、そのような精神状態が治療成績にどの程度の影響を及ぼすのかは、明確にはかることは困難なのかもしれません。

これまで生殖医療専門誌で発表された論文の中には、精神的な状態と治療成績の関連性を示したものがあるかと思えば、全く関連しないとする見解を示しているものもあるようです。

ただし、いずれにしても、メンタルなケアが大切であることは間違いありません。

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