男性不妊の原因の大半を占める精子造成能力低下の世界的な傾向は、
遺伝的な要因によるものではないかとの見解が、
オーストラリアのシドニーモーニングヘラルド誌に掲載されています。
およそ8組の夫婦に1組の割合で不妊悩んでいると言われ、
その内のだいたい半数は男性側に原因があるとされています。
50人に1人の男性が自然妊娠に必要とされるレベルの精子を造成するととが出来ず、
乏精子症や無精子症であると言われています。
男性の精子が、なぜ近年世界的に減少傾向にあるにかについて、
環境汚染物質や環境ホルモンによる影響ではないかという議論が絶えません。
オーストラリアの専門家の間でも結論が出ていません。
環境的要因、さらに、オーストラリアの男性にはそこまでは言われていないものの、
Y染色体の進化論的能力低下が世界的に精子数を減らしているという証拠があります。
専門家によりますと、
ヴィクトリア州での調査では、オーストラリアの男性の精子数は1mlあたり平均1億個で、
6000万個を下回ると問題が生じると言われています。
ところが、ヨーロッパやアメリカでは、
環境的な要因によって精子の造成能力が低下しているという発表が相次いでいます。
1992年にオランダの徴兵検査で半数近くの若者の精子数が少なかったことが判明し、
男性の精子数の減少傾向に警鐘を鳴らしたことがそもそもの始まりでした。
一方、、アメリカでは、ミズーリ州の男性の精子数減少と殺虫剤の関係を調査した研究結果が、
報じられました。
精子数減少の要因は環境的なものであるのではないかとする自然な療法の専門家は、
栄養状態を改善したり、毒素を排出すること、環境汚染物質を避けることで、
精子の数や質が改善されると指摘しています。
全ての男性に保証できる訳ではないが、
精子の数が増え、運動率が上昇し、奇形率が減少する傾向にあることは確かとのこと。
自然療法の施設には週のおよそ80組のカップルが訪れ、
解毒、生活スタイルのカウンセリング、サプリメントの処方を受けると言います。
4ヶ月のプログラム後、ほとんどのカップルは6ヶ月以内に妊娠に至り、
それでも妊娠しなければ、通常の不妊治療を受けるように勧められます。
また、シドニーのIVFセンターの責任者は、
男性不妊の主な要因としては遺伝的なものであるとしながら、
タバコの吸い過ぎや薬物、
そして、おそらくは、有害物質などが精子を攻撃していることは間違いないとしています。
あちこちで指摘されている有害物質のせいで、
男性の生殖能力は悪化していると考えがちではあるけれども、
根本的には、完全に明確なわけではないとして、
遺伝的な要因である場合にも、
なんであるかはよくわからないけれども環境要因であると、
されてきたと繰り返し指摘しています。
この10年で、余分なX染色体を持っていたり、筋緊張性ジストロフィーなどのような遺伝病の男性に、
精子形成能力の低下が見られることが知られるようになりました。
ところが、遺伝子の分野の研究の急速な発展によって、
Y染色体にかなりの量のDNAの欠損があることが突き止められました。
昨年、「Nature Genetics」に掲載されたアメリカでの研究では、
無精子症の男性の89人の内、12人に、Y染色体の同じ部分に欠損が確認されています。
この調査結果は興味深いものの、遺伝子に問題があるのは、
ヴィクトリア州で不妊治療を受ける男性患者の1000人に1人か2人にしか過ぎず、
男性不妊の大多数は、ホルモン障害か、精子形成機能に欠陥があることによるものとしています。
男性不妊は治すことが出来ないものの、助成よりも治療は単純です。
そして、生殖医療の進歩により、精巣からたった1匹の精子を取り出すことが可能であれば、
それまでは、ドナーから精子の提供を受けざるを得なかった患者でも、
顕微授精により遺伝的つながりのある子供を持つ可能性が出てきたのです。
■出典:「シドニーモーニングヘラルド 2004/09/30」
http://www.smh.com.au/articles/2004/09/30/1096401692587.html?oneclick=true
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