授かり待ちのあなたのためのリストラティブヨガ

Part1 コラム編

第5回 "犯人捜し"をしないために

岡部 朋子 先生(ルナワークス代表)

岡部 朋子
こんにちは。ヨガインストラクターの岡部朋子です。

季節の変わり目、いかがお過ごしですか?
春は卒業や入学、就職や転勤など、環境が変わる時期ですね。
そんな中で、家族について考えることも増えそうです。
気持ちが不安定になることもあるかもしれません。

そんなときこそ、ぜひヨガでリラックスを。

子どもがなかなか授からないと、ついあれこれ考えてしまうもの。

「私の身体は、どこかおかしいの?」と自分を責めたり、
「Aちゃんがいいって言うから」と他人の言葉に影響されたり、
「これをやれば妊娠できるはず」と何かにすがってみたり・・・。

また、
「お義母さんがすすめるからしかたなく、これを試している」
「みんながやってるから、私もやらなくちゃ」
「Bちゃんはこれでうまくいったので、私もきっと・・・」

こんなふうに、周りの目や言葉が気になっていませんか?
あまり気がのらないのに無理してしまったり・・・。

「私はこうしたい」、
「それはやりたくない」と言えないのは、どうしてでしょう?

「自分はこれでいい」って思えない、
自分を認めることができないからではないかしら?

でも、考えてみて。
自分の人生で、自分よりも大事なものがあるでしょうか?
自分の心の平和よりも大事なものって、あるでしょうか?

あなたの心がすこやかなら、
あなたを大切に思う周りの人も、
きっとうれしいはずです。

目まぐるしく移り変わる現代生活で、
私たちは「自分を大事にする」ということを忘れているようです。

「お義母さんがすすめるから」
「Aちゃんが言ったから」
「インターネットにあったから」

そんなふうに誰かに答えを求めても、
情報は刻々と変わり、人の気持ちも変化します。

「誰かが言った」と"犯人捜し"をしたところで、結局はいたちごっこ。

これでは、心の平穏から遠ざかるばかりです。

今の、そのままの自分を受け入れてみませんか?

「え? どうすればいいの?」と思うかもしれませんね。
大丈夫、簡単です。

1分間、すべての情報をシャットアウトするのです。
テレビもパソコンも、携帯電話もオフにして。

情報がたくさんあるから、気になってしまうもの。
まずは、情報に触れない時間をつくることから始めましょう。

この1分間は何もしないで、目を閉じてゆっくりと呼吸を。

いつもの私たちの生活は、たくさんの情報に囲まれ、
それを処理するだけで疲労困憊。

また、情報に気を取られて、目の前にいる人さえ見えていないことも。

そして、仕事や人間関係など、自分の気持ちは外ばかり向いています。

この時間は、気持ちを自分の内面に向かわせるひととき。
身体の力を抜いて、自分と対話するつもりで過ごしてみてください。

さて、どんな気持ちになりましたか?

どんな思いが浮かんできてもいいんです。

「Aちゃんはいいって言うけど、実は気がのらない」、
なんて気持ちが湧いても、気にしない、気にしない。

「ああ、私って本当はそう思ってたんだ」と、ただ受け止めましょう。

それがよいとか悪いとか、こうすべきとか、そういうことは一切ありません。

ただ、自分の内面に意識を向けましょう。

こうして自分の本当の気持ちに気づくことは、
「私はこれでいいんだ」という「自分を肯定する感覚」につながります。

すると、「誰かがいいと言ったから」ではなく、
「自分がやりたいから」と、自分で行動を決めることができます。

そう、ヨガはリラックスして自らの内面を見つめるもの。

心から安らげる場を持つことは、
忙しい毎日をかろやかに過ごす助けになります。

実は私自身、多忙な中で自分を見失っていたことがあります。

ヨガに出会って「ゆっくり生きていいんだ」と実感し、
「自分を大切する」という価値観を持つことができたのです。

仕事や家庭、大事なパートナー、そして妊活。

あなたにとっては、きっとどれもが大切なことでしょう。

でも、一番大事なのは、何といってもあなた自身。

赤ちゃんを待つ今の時間は、かけがえのないあなたの人生の1ページです。

ぜひ気分よく、リラックスして楽しみましょう。