メルマガ

VOL.699 男性不妊における男性への診療で妊娠率はよくなるのか?

2016年11月06日

____________________________________________________________________

 妊娠しやすいカラダづくり No.699 2016/11/6
____________________________________________________________________


今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・編集長コラム:男性不妊における男性への診療で妊娠率はよくなるのか?
・編集室からのお知らせ:
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
--------------------------------------------------------------------
2016年10月31日 曇り時々雨、のち晴れますように
リフレーミング
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20161031.html
--------------------------------------------------------------------
記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集長コラム Nov.2016_____________________________________________

 男性不妊における男性への診療が治療成績に及ぼす影響
--------------------------------------------------------------------
11月3日、4日の2日間、日本生殖医学会が横浜で開催されました。

そこで、横浜市立大学附属市民総合医療センターの生殖医療センターの先生方によるポスター発表「泌尿器科的治療介入がART治療成績に与える役割」がありました。

「泌尿器科的治療」というのは「男性不妊を専門とする泌尿器科医による男性への治療」という意味で、体外受精や顕微授精を受けるカップルへの男性パートナーへの治療が妊娠率にどのような影響を及ぼすのか調べたという研究です。

要するに、ふたりで不妊治療に取り組むことで治療成績がよくなるのか?ということを確かめたというものです。

不妊症カップルの約半数に男性側に原因があるとされています。

そして、男性側に原因があった場合、すなわち、精液検査の結果、精子濃度や運動率が基準を下回り、そのことによって妊娠できない、または、妊娠しにくくなっていると考えられる場合、選択肢は2つあります。

男性への診療を行うか、スルーするか、です。

実際のところ、精液中に精子が全くいない無精子症は別として、たいていは、男性側に原因があったとしても、男性への診療はしないまま、女性の対して顕微授精が行われることが多いというのが現実です。

そこで、今回の研究では、男性側に診療を行った場合とスルーした場合では、女性への体外受精や顕微授精の治療成績が変わってくるのか、調べたというわけです。

横浜市立大学附属市民総合医療センターの生殖医療センターで体外受精や顕微授精を受けた患者さん(男性パートナーが無精子症であったケースを除く)を対象に、男性不妊と診断され、泌尿器科医による診療を受けたグループ、男性不妊と診断されたけれども、泌尿器科医による診療を受けなかったグループ、男性不妊でないグループの治療成績を比較しました。

その結果をざっくりと言ってしまえば、男性不妊と診断され、泌尿器科医による診療を受けたグループは、受けなかったグループよりも妊娠率が良好で、男性不妊でないグループと妊娠率は同等だったというものでした。

つまり、男性不妊では泌尿器科医による診療が体外受精や顕微授精の治療成績を向上させるということが確かめられたわけです。

もしも、精索静脈瘤があれば精索静脈瘤手術によって、また、たとえ、原因不明の乏精子症や精子無力症であっても、ホルモンや薬物療法、サプリメントによる抗酸化療法によって、精子の質を改善し、その上で、または、それと並行して女性への治療を行うほうが早く妊娠できる可能性が高いということになります。

さて、現実問題として、男性不妊と診断されても、男性への診療が行われないことが多いのは、男性不妊を専門とする泌尿器科医の数が少ないという事情があります。

今回の研究を実施した横浜市立大学附属市民総合医療センターのように女性不妊の専門医と男性不妊の専門医による診療を受けられば理想的ですが、そんな施設は日本では数えるほどしかありません。

ただし、不妊治療専門クリニックで男性不妊外来があれば問題ありません。

もしも、それでなければ、自力で探すしかありません。

不妊治療を受ける女性の年齢が高齢化していること、不妊治療の治療費が高額であること、女性への肉体的、精神的、時間的な負担は決して軽くないことを考えると、泌尿器科医による診療を受けることで治療成績を向上させることはとても大切なことです。

男性側に原因があった場合、男性への治療を行い妊娠を目指すということは当たり前に聞こえるかもしれませんが、さまざなな事情で現実にはそうなっていませんでした。

ただし、最近になって、ふたりで検査や治療を受けられる施設が少しずつ増えてきています。

現在、そのような環境になければ、自分たちで求めることができる可能性が高くなっているというわけです。

男性不妊の専門医を探す最も確実な方法は生殖医療専門医の都道府県別一覧のサイトでみつけることです。以下がそのサイトです。専攻が泌尿器科となっている先生が男性不妊のスペシャリストです。
http://www.jsrm.or.jp/qualification/specialist_list.html

--------------------------------------------------------------------
↓編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/
--------------------------------------------------------------------
記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集室からのお知らせ______________________________________________
 
 不妊相談会開催のお知らせ
--------------------------------------------------------------------
東京都調布市のウイメンズクリニック神野主催の第19回不妊相談会が11月27日の日曜日に開催されます。院長の神野正雄先生は、情熱をもって不妊治療、特に、高度生殖医療に取り組まれ、高齢による卵巣機能低下が原因の不妊症に対して、独自の考え方と方法で、高い実績を挙げておられる先生です。

当サイトのドクターに訊くでも、「質のよい卵を育むための生活習慣~高齢不妊との正しい戦い方」というテーマでインタビューさせていただき、記事にしています。
http://www.akanbou.com/doctor/interview06/

神野先生は、現代における不妊の主な原因は、晩婚化によって、お子さん望むようになったときには、女性は、既に、妊娠しづらい年齢に差し掛かっていることが多くなったこと。また、現代に特有の不健康な生活習慣、すなわち、夜更かし、ストレス、歩かない生活、質の悪い食生活などが、インスリン抵抗性を招き、卵子や精子の質を低下させていることを指摘されています。

また、抗糖化機能性食品「ヒシエキス」がART反復不成功の高齢不妊患者さんの妊娠率を改善することを見出し、国内や海外の学会で発表され、現在、臨床試験を実施しておられます。
http://home.j07.itscom.net/ivfjinno/news.html

これまでの不妊相談会では、なぜ不妊になるのか、カップルで取り組むべきことはどんなことなのか、高度不妊治療とはどんなものなのかを解説しています。

個別相談も可能だそうです。

◎第19回不妊相談会

日程:2016年11月27日(日)
時間:9:30~11:30
場所:調布市文化会館「たづくり」
定員:50名
費用:無料

参加希望の方は下記あてお電話でお申込みください。
042-480-3105(担当:受付:星、黒田)

・詳細ページ
http://home.j07.itscom.net/ivfjinno/setumeikai.html
・ウイメンズクリニック神野サイト
http://home.j07.itscom.net/ivfjinno/index.html


イベント&セミナー情報____________________________________________

11月13日 Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 名古屋
http://www.akanbou.com/seminar/20161016-4424.html

11月23日 Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 仙台
http://www.akanbou.com/seminar/20161123-4456.html

11月27日 不妊相談会(東京)
http://www.akanbou.com/seminar/20161127-4455.html

12月4日 Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 東京
http://www.akanbou.com/seminar/20161123-4456.html


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

日本生殖医学会では多くの研究成果が発表されました。是非とも、お知らせしたいものがたくさんあります。

これからも引き続きご紹介していきたいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.699
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
--------------------------------------------------------------------
不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎発行部数
・自社配信: 1,973部
・まぐまぐ: 3,527部
・合計部数: 5,500部(11月6日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決してありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負いませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属します。一切の無断転載はご遠慮下さい。