メルマガ

VOL.691 妊娠前から鉄を蓄えておく

2016年09月11日

____________________________________________________________________

 妊娠しやすいカラダづくり No.691 2016/9/11
____________________________________________________________________


今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・今月のトピックス:妊娠前にはどれくらいの鉄を蓄えておけばいいのか

・編集室からのお知らせ:Fine祭り2016 全国おしゃべり会special
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
--------------------------------------------------------------------
2016年9月9日 最新ニュース
妊娠前のカフェイン摂取と流産のリスクとの関係
http://www.akanbou.com/news/news.2016090901.html
--------------------------------------------------------------------
2016年9月8日 最新ニュース
葉酸の食品への添加と先天性心疾患有病率との関係
http://www.akanbou.com/news/news.2016090801.html
--------------------------------------------------------------------
2016年9月5日 編集長コラム
やりたいようにやるという妊活スタイル
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20160905.html
--------------------------------------------------------------------
記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


今月のトピックス Sep.2016___________________________________________

 妊娠前にはどれくらいの鉄を蓄えておけばいいのか
--------------------------------------------------------------------
鉄は日本人女性の平均的な食生活では不足気味なのですが、私たちの身体には体内の鉄が少なくなると消化器官での鉄の吸収を高めるという働きが備わっています。この調節機能があるため、少しくらい鉄が少ない食事が続いてもすぐに貧血にはなりません。

それほど、鉄という微量ミネラルは大切な栄養素なのです。

ところが、自分で使う分だけであればそのようにまかなえても、妊娠する、すなわち、新しい命を迎え、育むとなると、ある程度の鉄を蓄えておくほうが、なにかと有利になります。

━ 鉄の働き

鉄は体内でさまざまな役割を担っていますがそのキーワードは「酸素」です。

まず、最も代表的なのは血液中でヘモグロビンを構成し「酸素」を運ぶことに関わっていること。そして、その酸素を使ってエネルギーをつくるのに補酵素として関わり、その結果生じる活性酸素の消去に抗酸化酵素の補酵素として関わっていることです。

このように酸素運搬や呼吸を助けることから生命活動の根幹に関わるミネラルだと言えます。

━ 体内の鉄

体内にある鉄の総量は、成人で2~4gで、その60~70%は「機能鉄」で、ヘモグロビンとして赤血球中、鉄を含む酵素や筋肉に存在しています。そして、約25%が「貯蔵鉄」で、フェリチンとして肝臓・膵臓や骨髄にあります。また、トランスフェリン(血液中で鉄を輸送する働くを担うたんぱく質)にも、1%に満たない少量ですが含まれています。

このように、体内で酸素運搬や補酵素として働く「機能鉄」と、その機能鉄に不足が生じた際に使われることになる「貯蔵鉄」があります。つまり、常に予備の鉄を蓄えているというわけで、ここでも鉄の重要性がうかがえます。

━ 妊娠時に跳ね上がる鉄の必要量

妊娠すると鉄の必要量が跳ね上がります。まずは、妊娠すると循環血液量が増加し、それに伴う赤血球の増加により鉄需要が増え、胎児の成長に伴う鉄貯蔵に加えて、臍帯や胎盤中への鉄貯蔵があるからです。

そのため、厚生労働省の食事摂取基準では、30-40代女性の推奨量の11mgに加えて、妊娠初期には2.5mg、中期、後期には15mgを、それぞれ、上乗せしています。

━ 妊娠前から鉄を蓄えておく

鉄が足りているかどうかを調べるのはヘモグロビン量を測定するのが一般的です。ところが、妊娠するだけの鉄量のレベルにあるかどうかはそれだけではわかりません。

予備的な鉄、すなわち、貯蔵鉄の量も測定する必要があります。体内の鉄量が低下しても、酸素の運搬やエネルギーの産生に支障をきたすわけにはいきませんから、貯蔵鉄を切り崩し、ヘモグロビンや酵素に回すからです。

そして、妊娠時の増加分も貯蔵鉄から使われることになります。

そのため、健康な妊娠、出産を望む女性は貯蔵鉄に十分な鉄がある状態にしておくことが大切なことになります。

━ 可能であれば血液中のフェリチンを測定する

目安としてのフェリチンは最低でも30ng/ml、出来れば50ng/ml程度は欲しいとされています。30ng/ml未満が潜在性鉄欠乏症とされているからです。

実際のところ、厚生労働省の国民健康・栄養調査では20-49歳の女性の約70%はフェリチンの値が30ng/ml未満の潜在性鉄欠乏症です。

そのため、妊娠を望む女性は、フェリチンを測定する機会がなくても、また、貧血の自覚的な症状がない場合でも、食生活の改善に加えて、サプリメントで鉄を補充することが理想的です。

━ 鉄分摂取を意識した食生活

鉄が豊富な食材には、ヘム鉄を多く含むレバーや魚の肝の他、非ヘム鉄を多く含む貝類や海藻、ほうれん草やゴマなどがあります。

鉄分が豊富なイメージのある果物といえばプルーンですが、鉄分がほとんど含まれていない果物の中で多いというだけで鉄分補給の効果は期待できません。

特別な食事をする必要があるわけではなく、敢えて言えば、レバーや肉類を意識して食べることくらいです。

ただし、鉄は吸収されにくい性質がありますので、それについての知っていることがポイントです

━ ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収率を考慮したサプリメント選択

食品中に含まれる鉄はタンパク質と結合した状態のヘム鉄と、無機鉄である非ヘム鉄があります。

非ヘム鉄の吸収率は非常に低く、摂取量の5%以下と言われています。非ヘム鉄の吸収は、ビタミンCやタンパク質によって促進され、お茶に含まれるタンニンや食物繊維などに含まれるフィチン酸は吸収を阻害することが知られています。

一方、ヘム鉄は、非ヘム鉄に比べ約5倍の吸収を持っており、他の栄養成分によって吸収が阻害されることはありません。

サプリメントにもヘム鉄、非ヘム鉄、両方の形状が利用されています。サプリメントにおいても、ヘム鉄は非ヘム鉄に比べ、5-10倍吸収率がよく、さらに、鉄剤(非ヘム鉄)を飲んだ際に起こりやすい副作用(胃のむかつき、吐き気、便秘、下痢)の心配も少ないというメリットがあります。

ただし、ヘム鉄のサプリメントが安価で販売されていることがあり、注意が必要です。ヘム鉄の原料は(主に動物の赤血球)濃度が非常に薄いため(1-2%)、小さな粒では十分な鉄が配合できません。つまり、もしも、5mgの鉄をヘム鉄を使って配合しようとすると250-500mgのヘム鉄を使わなければならないからです。

もしも、小さな粒なのに鉄の含有量が多く記載されているヘム鉄のサプリメントは、ヘム鉄だけでなく、非ヘム鉄を混ぜているか、もしくは、虚偽の表示の可能性もあります。ラベル表示(鉄とヘム鉄の配合量)をチェックすることが大切です。

━ 貧血改善目的のサプリメントと鉄剤

鉄を含む市販のサプリメントの多くは、医薬品と同じ非ヘム鉄が使用されています。これらは含有量も少なく、貧血の予防は期待できても治療効果は期待できない製品です。製品の信頼性や効果・価格を考えると、貧血改善目的での非ヘム鉄のサプリメント利用は推奨できません。

そのため、改善を要するような鉄欠乏の場合、まずは、医師から鉄剤を処方してもらうのを第一選択とし、鉄剤(非ヘム鉄)による副作用で継続服用が困難な場合にヘム鉄のサプリメントを選択肢に加えるのが現実的な選択と言えます。

--------------------------------------------------------------------
記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集室からのお知らせ______________________________________________
 
妊活を考える&応援する、すべての方へ
『Fine祭り2016 全国おしゃべり会special』のご案内
--------------------------------------------------------------------
NPO法人Fineは、不妊当事者による、不妊当事者のための団体で、2008年より毎年開催しています、『Fine祭り』を10月~12月に札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の全国6カ所で開催されますので、ご案内します。
http://j-fine.jp/matsuri/2016/matsuri.html

■プログラム

【第一部】不妊体験者による「体験談発表」
当事者の気持ちや悩みなど、ふだん聞く機会の少ない当事者の生の声を聞くことができます。

【第ニ部】当事者同士の「おしゃべり会」
日ごろ話せないさまざまな思いや悩み、治療の話など他ではなかなか話しづらいことを自由に話してスッキリしちゃいましょう!

■不妊スペシャリスト相談
不妊症看護認定看護師の方やエンブリオロジスト(胚培養士)の方に、病院では質問しづらいこと、検査や治療について知りたいこと、日頃抱えている疑問・質問を個別に相談できるチャンスです!

※「Fine祭り2016」の詳細・お申込はこちら↓
http://j-fine.jp/matsuri/2016/matsuri.html

<日程>時間はいずれも13:00~16:00(予定)
◆「Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 大阪」
日 時:2016年10月2日(日)
会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター5F 特別会議室

◆「Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 東京」
日 時:2016年10月16日(日)
会 場:銀座キレイが丘本館 5F-B会議室

◆ 「Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 札幌」
日 時:2016年10月30日(日)
会 場:札幌エルプラザ 4階 札幌市男女共同参画センター中研修室

◆「Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 名古屋」
日 時:2016年11月13日(日)
会 場:ウインクあいち 11階 中会議室1101

◆ 「Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 仙台」
日 時:2016年11月23日(祝・水)
会 場:ヒューモスファイヴ 8階 仙台駅前 貸会議室(大)

◆「Fine祭り2016 全国おしゃべり会special in 福岡」
日 時:2016年12月4日(日)
会 場:リファレンス 大博多ビル貸会議室 1109号室

※「Fine祭り2016」の詳細・お申込はこちら↓
http://j-fine.jp/matsuri/2016/matsuri.html


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

まだまだ、残暑厳しい日もありますが、朝晩は秋の気配を感じられるようになりました。

秋と言えば、実りの秋。美味しい旬の食材が楽しめる季節です。生き物の生殖活動というのは、本当に、大自然のサイクルに密接につながっているようで、やはり、食べ物が美味しく、豊富になる季節には、生殖力も上昇するようです。

藤田保健衛生大学の中沢和美教授は、これまでの調査によって、秋に妊娠すると、他の季節に妊娠するのに比べて、流産する確率が半分以下になることを明らかにしています。

流産の原因はほとんどは受精卵に力がなかったことによるもので、私たちにはどうしようもできないこと。

秋に妊娠すると流産しにくいのは、他の季節に比べて、秋には生命力の強い受精卵が育まれることに他なりません。

みなさんにとって、実りの秋になりますように!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.691
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
--------------------------------------------------------------------
不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎発行部数
・自社配信: 1,941部
・まぐまぐ: 3,602部
・合計部数: 5,543部(9月11日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決してありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負いませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属します。一切の無断転載はご遠慮下さい。