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VOL.658 不妊治療のやめどき

2016年01月24日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.658 2016/1/24
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:サプリメントはどのように使うべきか
・今週のおすすめ本:不妊治療のやめどき
・編集室からのお知らせ(1):埼玉妊活セミナーが開催されます
・編集室からのお知らせ(2):臨床試験被験者を募集しています
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2016年1月24日 授かるレシピ
【授かるベーシックレシピ】ししゃもの炊き込みご飯
http://www.akanbou.com/column/recipe/20160124.html
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2016年1月22日 曇り時々雨、のち晴れますように
体重管理
http://qq4q.biz/qD9i
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 Jan.2016__________________________________________
 
 サプリメントはどのように使うべきか
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とても興味深い論文がイタリアの大学の研究チームから発表されました。

原因不明不妊の女性122名を食事からの栄養摂取状況により3つのグループ
(栄養が足りている・微量栄養素が不足している・栄養不足+肥満)に分け、
3種類の配合内容の異なるサプリメントを体外受精を開始する3ヶ月間摂取し
てもらい、その後の体外受精の治療成績を比較したというものです。

3種類のサプリメントは以下の通りです。

1)鉄7mg+葉酸400μg
2)マルチ(鉄30mg、葉酸400μg、ラクトフェリン75mg、フッ素1mg、
DHA150mg、亜鉛7.5mg、銅1.2mg、カルシウム400mg、マグネシウム
100mg、マンガン2.5mg、ヨウ素150μg、ビタミンD 10μg、ビタミンB6
1.4mg、ビタミンB12 2.5μg、ビタミンC 60mg
3)上記のマルチ+イノシトール563.8mg(ミョーイノシトール550mg、D
キロイノシトール13.8mg)

因みに、ラクトフェリンは母乳に含まれる感染防御機能をもったタンパク質
で、イノシトールはインスリン抵抗性を改善する働きがある成分として知ら
れています。

結果は、栄養が足りているグループの女性は鉄と葉酸だけを摂取した場合に
最も妊娠率が高く(36.3%)、マルチでは30.0%で、マルチ+イノシトール
では10.0%に低下してしまいました。

微量栄養素が不足しているグループでは鉄と葉酸を摂取した場合は30.0%で、
マルチの時が最も高い妊娠率(36.8%)で、このグループでもマルチ+イノシ
トールでは13.3%と低くなってしまっています。

そして、栄養不足で肥満のグループでは鉄と葉酸だけでは誰も妊娠に至らず、
マルチでやっと7.1%、そして、マルチ+イノシトールで15.3%と最も高い妊
娠率となっています。

━ 栄養摂取状況で異なるサプリメントの効果

興味深いのは、食事からの栄養摂取状況で体外受精の妊娠率に有効なサプリ
メントの種類が異なるということです。

つまり、不足している栄養素を補充した場合に最も妊娠率が高くなり、必須
栄養素以外、たとえば、ラクトフェリンやイノシトールを摂取した場合にマ
イナスの影響があり、妊娠率が低くなってしまいかねないということです。

ビタミンやミネラル、特に、葉酸や鉄は妊娠、出産に重要な役割を担うので、
補充しておくことに意味がありますが、それ以上は不要、いや、マイナスの
影響(妊娠率の低下)を招く可能性があるいうことになります。

━ サプリメントになにを求めるのか

サプリメントは、食事の補助です。つまり、本来、食事から摂り入れるべき
必須栄養素を不足しないように、「予防的・保険的」に補充することがサプ
リメントを摂る目的です。

必須栄養素とは、生きていくために絶対に必要な栄養素で、体内でつくるこ
とができないので食事からしか摂れない栄養素のことです。

具体的には、ビタミン(13種類)やミネラル(16種類)、必須アミノ酸
(9種類)、必須脂肪酸(オメガ6、オメガ3)の40種類の栄養素です。

妊活サプリメントというキャッチはサプリメントに過大な期待を抱かせてし
まいます。

それは、「サプリメントを摂ることで妊娠しやすくなる」というものです。

妊娠、出産に必要な栄養素(5大栄養素)が不足したり、バランスが崩れた
りして、妊娠しづらくなっている場合、不足している栄養素を補充すること
で、本来の妊娠する力を取り戻せるようになるのは当然ですが、それ以外の
栄養成分をいくら補充しても、妊娠しやすくなるわけではなく、かえって、
妊娠の障害になるリスクを抱えることになるのです。

━ サプリメントは正しく使う

サプリメントは食事を補完するものですから、ちゃんと食事を摂れば不要で
す。最低限、葉酸だけで十分です。

もしも、食事からの摂取に不安がある場合は、マルチビタミンミネラルを、
もしも、検査等で鉄や亜鉛、ビタミンD、B群などが不十分な場合、さらに、
相応の補充をすることが大切です。

また、CoQ10やカルニチン、リポ酸のように体内でつくられているももの、
年齢とともに産生量が減り、安全性が確かめられているものは補充する意味
があります。

それ以外はきちんとした臨床試験で効果が確認されたものでなければ避ける
のが無難です。

よかれと思って摂っているものがマイナスの影響を及ぼすのは本末転倒です。

*文献:May Underdiagnosed Nutrition Imbalances Be Responsible
for a Portion of So-Called Unexplained Infertility? From Diagnosis to
Potential Treatment Options Reprod Sci. 2015 Epub ahead of print]

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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
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今週のおすすめ本____________________________________________________

 不妊治療のやめどき
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「不妊治療のやめどきを自分で決められない」という「声」をいただくこと
が多くなって久しくなります。彼女たちは不妊治療ははじめることよりも、
やめることのほうが難しいと、口を揃えて言います。

そんな「やめどき」に悩むカップルは、もちろん、不妊治療について悩んだ
り、行き詰っているカップルにも、強力なサポートになる本だと、断言でき
ます。

・妊娠しやすいカラダづくりBOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/isbn10-4872907841.html
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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集室からのお知らせ(1)_________________________________________

 埼玉妊活セミナー開催のお知らせ
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昨年9月に発足した男性不妊を専門とし、臨床にあたっている泌尿器科医で
構成されているNPO法人男性不妊ドクターズ主催の埼玉妊活セミナー(講演
会と個別相談会)が開催されることが決定致しました。

開催概要は以下の通りです。

日時:2016年2月28日(日)
時間:12:30~16:00
場所:獨協大学天野貞祐記念館(埼玉県草加市)
定員:講演会400名・相談会50名
費用:無料
主催:NPO法人 男性不妊ドクターズ
http://www.mids.jp/

プログラム:生殖医療専門医による講演と相談会の2部構成です。

第1部(12:30~14:10)
講演1:「知っておきた妊活事始め」
     梅ヶ丘産婦人科院長 辰巳賢一 先生
講演2:「意外と身近な男性不妊のお話」
     獨協医科大学越谷病院リプロダクションセンター長 岡田弘 先生
講演3:「栄養と運動で妊娠力をUPしましょう!」
     大宮レディスクリニック院長 出居貞義 先生

第2部(14:20~16:00)
相談会:不妊治療専門のドクター・看護師・胚培養士による個別相談

埼玉妊活セミナーへは専用の申し込みフォームから事前に参加申し込みくだ
さい。第2部の個別相談は当日会場にて先着順にて受け付けます。

*お申込は以下のフォームからお申し込みください。
http://maleinfertility.jp/blog/?page_id=1626

*詳細はパンフレット(PDF)をダウンロードください。
http://www.akanbou.com/docs/ninkatsuseminar.pdf

*お問合せ:埼玉妊活セミナー事務局宛下記のアドレスにメールにて受付
seminar@maleinfertility.jp


編集室からのお知らせ(2)__________________________________________

 臨床試験被験者募集のお知らせ
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現在、抗糖化サプリメント摂取による妊娠補助効果の臨床試験を行っており、
ご参加していただける方を募集しております。

詳細は以下の臨床試験募集要項をご覧ください。
http://www.akanbou.com/docs/clinical-trial.pdf

*臨床試験被験者募集についてのご質問は編集室では対応できません。
 募集要項に記載されている医療機関にお問い合わせください。


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

今回、紹介した「不妊治療のやめどき」は、現在、最も必要とされている情
報ではないかと思います。

このメルマガをご覧になっているすべてのカップルに読んでいただきたいと
思います。

寒さが厳しい季節です。あたためることが大切ですが、ただ、あたためれば
いいというものではないと思います。自分の体温調節能力を低下させるよう
なあたためかたはよくないです。

基本は自分で自己発熱作用を強化することですね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.658
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整
理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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◎発行部数
・自社配信: 1,688部
・まぐまぐ: 3,721部
・合計部数: 5,409部(1月24日現在)
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