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VOL.452 排卵力を高める

2012年02月12日

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 妊娠しやすいカラダづくり 第452号  2012年2月12日発行

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 お子さんを望まれるカップルを応援します。

 なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、悩みを克服する
 ために、"二人で話し合い、考えを整理"して、"自分たちにふさわし
 い答えを出す"上でのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な
 視点で、毎週末、配信しています。


━[今週のテーマ]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼排卵力を高める


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 排卵力を高める
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女性の不妊の原因にはいろいろありますが、排卵しないとか、排卵するのに
時間がかかる、排卵障害が最も多いと言われています。

排卵が起こらなければ、精子は卵子と出会うことが出来ませんので、妊娠で
きませんし、排卵が遅くなれば、排卵時期を予測することが難しくなったり、
排卵の機会が少なくなることで、妊娠の確率が低くなってしまいます。

不妊治療では、排卵がなかったり(無排卵)、排卵しづらかったり(排卵障
害)すると、排卵誘発剤を服用したり、注射したりして、脳、または、卵巣
に直接働きかけて、排卵を起こします。

脳から卵巣に卵胞を成熟させるように働きかけるホルモンの分泌を促したり、
そのホルモンそのものを投与したりするわけで、いずれも対照療法で、根本
的な治療ではありません。

そのため、女性のカラダに備わっている「排卵する力」を高めるという発想
はとても大切です。

もしも、それでしっかりと排卵するようになれば、それに越したことはあり
ませんし、そうならなくても、排卵誘発剤の効き目がよくなれば、薬や注射
の量や頻度が少なくて済むようになるでしょう。

そこで、排卵力を高めるために、どのように生活習慣を見直せばいいのか、
考えてみたいと思います。


━ 排卵力を高めるということ

排卵力を高める生活習慣は、単に、排卵するためだけのものではありません。

最も大切なことは、正常な排卵のための生活習慣が、その後も継続され、身
につくことだと、私たちは思っています。

なぜなら、そのことによって、妊娠の確率が高くなるだけでなく、健全な妊
娠や出産、さらには、未だ見ぬお子さんの心身の健康に寄与するようになる
からです。

さらに、さらにです。

妊娠を望むカップルが高齢化しているという最近の傾向を考えると、大袈裟
なと思われるかもしれませんが、お子さんを出産してから、少なくとも20
数年は健康でいることが親としての責任を果たすためには不可欠なのではと
も思うからです。


━ テーマは「インスリン抵抗性」

排卵障害には原因がわからないものも含めて、さまざまな原因があります。

たとえば、先天的な原因や過剰な運動、肥満、やせ過ぎ、ストレスなどで脳
から卵巣に成熟卵を育てるように働きかけるFSH(卵胞刺激ホルモン)や
LH(黄体化ホルモン)の分泌が不十分なケース、排卵障害の10人に1人
くらいと言われています。

また、年齢や卵巣の手術、抗ガン剤治療、放射線治療による卵巣の働きが低
下してしまっているようなケースで、20人に1人くらいの割合とされてい
ます。

そして、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)によるもので、なんと、排卵障害
の85%を占めると言われています。

これらの他にも、高プロラクチン血症や甲状腺機能障害、副腎機能障害も排
卵障害の原因になり得ますが少数です。

生活習慣を見直すことで排卵する力を高めることを考えるために、最もよく
あるPCOSと密接な関係にある"インスリン抵抗性"にスポットをあてて
みたいと思います。

インスリン抵抗性というのは、インスリンという糖や脂質の代謝に関わるホ
ルモンの効き目が悪くなったり、分泌しにくくなったりする状態のことで、
糖や脂質の代謝異常やホルモン異常を招きます。

インスリン抵抗性は、PCOSだけでなく、肥満や糖尿病、高血圧、高脂血
症などの生活習慣病を引き起こす根本的なメカニズムの1つとしてとらえら
れています。

もちろん、インスリン抵抗性の改善が全てを解決してくれるわけではありま
せんが、糖や脂質の代謝やホルモンの分泌異常を改善することは、カラダに
備わったあらゆる働きを改善することになり、排卵だけでなく、妊娠する力
そのものを高めてくれるはずです。

インスリン抵抗性を改善するポイントは、食事を始めた直後の急激な血糖値
の上昇を避けること、インスリンの過剰な分泌を避けること、食後高血糖を
避けることです。


━ 排卵力を高める生活習慣

基本は、食事と運動です。


◎食生活

・適正なカロリー摂取と適正な栄養バランス

カロリーの過剰摂取は注意されていますが、もっと大切なことは炭水化物の
過剰摂取です。

炭水化物:たんぱく質:脂質=6:2:2が基本です。農林水産省の「食事
バランスガイド」に1日の適量やバランスが懇切丁寧に説明されています。

▼食事バランスガイド
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/

最新の研究では、PCOSの女性が、カロリー制限せずに、炭水化物を減ら
し、たんぱく質を増やすだけで、体重が減少し、そして、排卵障害の原因に
なる男性ホルモン(テストステロン)の値が低くなったと報告しています。

・朝食を抜かない

朝食を食べると全体の血糖値が安定します。

・よく噛んで、ゆっくりと食べる

当たり前な食べ方ですが、ほとんど、忘れられています。

・食べる順番

食物繊維、たんぱく質、炭水化物の順に食べる。

野菜・海藻→肉、魚、卵→ご飯・麺・パン

・食前にグレープフルーツを食べる

グレープフルーツは食後高血糖を防ぎます。

・菓子(果糖ブドウ糖液糖を含む)や清涼飲料水を避ける

果物は、繊維やペクチンを含み、血糖上昇が緩やかなので問題ありません。

・低GI(Glycemic Index)、低GL(Glycemic Load)の食品を選ぶ

食後の血糖値をゆっくり上昇させる食材です。


◎運動

・1日1万歩のウォーキング

最も手軽な有酸素運動を無理のないペースで。インスリンの効き目をよくす
るだけでなく、血流をよくするのに最も効果的な方法です。卵巣の血流をよ
くすることは、ダイレクトに排卵力を高めます。

また、運動することはストレスを大きく軽減させます。


◎サプリメント

・マルチビタミンミネラル

代謝障害を予防するために、十分な量のビタミンB群を含まれていること。
また、不要(糖)な添加物が使われていないこと。原料は食べ物の形態に近
いこと。

・DHAEPA

週に3回以上魚を食べ、オメガ3脂肪酸を摂取すること。


◎精神面を安定し、充実させる

・呼吸法やヨガ、瞑想など

生活習慣を見直すことは、決して、簡単ではありません。継続するためには、
精神面の安定や充実がとても大切だと思います。


━ 再び、身につけるということ

このメルマガの読者の方々にとっては、既に、ご存知のことばかりだったか
もしれません。

大切なことは継続することです。

仕事が忙しくなったり、風邪を引いたり、寒くなったりして、途中で止めて
も、また、復活すればよいのです。

それぞれのペースで、それぞれのスタイルで、続けさえすればいいわけです
から、生活習慣の改善には「挫折」はあり得ません。

そのうちに、体調面や精神面で効果を実感でき、そして、何よりも、不妊治
療において、治療成績がよくなってくれば、しめたものです。

インスリン抵抗性は排卵障害を招くだけでなく、卵や精子の質を低下させた
り、流産のリスクが高くなったりします。

そういう意味では、排卵力を高めるだけでなく、妊娠、出産する力を高める
生活習慣の見直しでもあるわけです。

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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


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 「ヤングの冷え取り」大作戦の効果あり!?
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こんにちは、「ヤング」です。

実は私、42歳になってからというもの、子宮内膜が薄くなってしまったの
です(やっぱり7の倍数の年齢は体に変化を来すようです。皆さま、要注意
ですよ!)。

昨年12月採卵後の移植では内膜が薄すぎて、移植できず。明けて1月は治
療お休み。

今月自然周期で移植予定で治療を進めております。

そして今年から初めた「冷え取り」ですが、ここにきて、変化が訪れてまい
りました。

今月、いつも、4~6ミリぐらいしか厚くならなかった子宮内膜が、排卵後
で10ミリまで厚くなってくれました。

そして、無事移植日も決定いたしました。

子宮内膜が厚くならず、自分の体に自信を無くしかけていた矢先だったので、
また一つハードルを越えることが出来て、まだ大丈夫!イケる!と安堵しま
した。

こんな変化が起きたのも、「冷え取り」と称して実行していた、朝のウォー
キング(適度な運動)、食事では賄えない栄養素の補充(当社サプリメント)、
就寝前の足もみ、継続して漢方薬服用の効果があったと実感しています。

食事では、血行促進のためにビタミンEを多く含む食材(かぼちゃ、すりご
まなど)を意識して採るようにしました。

気付けば、アーモンドとドライいちじくを好んで食べるようになっていまし
たねぇ(ドライいちじくにアーモンドをはさめて食べると美味!ワインとも
好相性!)。

体調の変化は、まず朝のウォーキングを始めてお通じに現れました。頑固な
便秘に悩まされていた私ですが、お通じが見事に良くなりました。

そして、冷取り靴下をはいて寝るようになって実感できたのが、足の裏が柔
らかくなって爪の色が紫ががった色から、ピンク色に変化したことです。

今までどんだけ血行が悪かったのでしょうか。恐らく、血行が良くなってき
てるんでしょうね。

まさに、日々の生活習慣を少し変えるだけで「妊娠しやすいカラダ」に近づ
く事ができるのでは!!と身を以て実感しています。

私は、まだ望んでいる結果として表れてませんが、希望を持って「冷え取り」
大作戦をこれからも続けていきます。


■お寄せいただいたカラダづくりの報告記事

・ カラダづくりに取り組んで、卵管造影検査後に
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2007031001.html

・生活習慣を改善し、カラダづくりに取り組んで
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2007012401.html

・カラダづくりに取り組むことで、卵胞や内膜、受精率もよい状態になって
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2009102601.html

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 妊 カ ラ 編 集 室 か ら
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知られざる卵子の老化~NHKクローズアップ現代2月14日(火)放送
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2月14日(火)のNHKのクローズアップ現代(19:30~19:56)で、「知
られざる卵子の老化」をテーマとした番組が放映される予定です。

番組のサイトは以下です。
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/yotei/index.cgi#yotei2program

出演者は、名古屋市立大学大学院医学研究科教授の杉浦真弓先生ですが、名
古屋の浅田レディース名古屋駅前クリニック院長の浅田正義先生も、卵子の
老化についてお話しされる予定です。

浅田レディース名古屋駅前クリニック
http://nagoya-asada.jp/

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▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/index.html

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→「ネイチャーズギフト」
http://www.nature-g.com/

▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html

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でもない研究報告やトピックなども紹介しています。よければフォローくだ
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 編 集 後 記
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まだまだ寒い日が続きますが、それでも、少しずつ、春に向かっているよう
です。

そのうち、あれだけ寒かったのがウソのようになります。

本当に、自然の力は偉大なり!です。

私たちのカラダの自然の一部であるならば、その力を引き出さない手はあり
ません。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.452
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
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◎配信部数
・自社配信: 201部
・まぐまぐ:5,001部
・合計部数:5,202部(2月12日現在)
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