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VOL.443 日本生殖医学会ハイライト

2011年12月11日

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 妊娠しやすいカラダづくり 第443号 2011年12月11日発行

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お子さんを望まれるカップルを応援します。

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。


━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


▼今月のトピックス
日本生殖医学会ハイライト

▼妊カラ編集室から
当社製品の男性不妊患者への投与効果が日本生殖医学会で発表されました

▼編集後記


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 今 月 の ト ピ ッ ク ス
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 日本生殖医学会ハイライト
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さる12月8日(木)と9日(金)の2日にわたって、日本生殖医学会学術講演
会が、横浜で開催されました。

生殖医療に関する基礎的、臨床的な研究成果が発表されました。

今週の妊カラでは、その中で読者の皆さんの参考にしていただけそうな発表
をピックアップし、ご紹介することにしました。

昨今の晩婚化、晩産化の影響で、不妊治療を受けようとする、また、受けて
いらっしゃる方々の高年齢化が大変な勢いで進んでいることはよく知られて
いる通りです。

一方で、高度な生殖医療の周辺技術の開発が進み、安全性が高まったことで、
体外受精や顕微授精も大変な勢いで普及していますが、高齢による妊娠する
力の低下を根本的に治療することは困難です。

また、高齢化によって、子宮内膜症や子宮筋腫を伴うケースも増加傾向にあ
ると聞きます。

そのため、不妊治療では、従来に比べて、さまざまな工夫が求められ、自ら
妊娠する力を高める取り組みの重要性が、ますます、高まっています。

それに伴って、選択肢も増えていることから、「後悔しない選択」をするた
めには"情報"、すなわち、"知っていることや理解していること"が絶対
に必要です。

そんな観点でピックアップしました。


━ 子宮内膜症と不妊

子宮内膜症とは子宮内膜以外のところに、子宮内膜ができてしまう病気です
が、「子宮内膜が子宮以外のところにできる」という、メカニズムの根本は
単純ですが、できる場所やその程度はさまざまで、それによる影響は完全に
は把握できないくらい複雑です。

そのため、子宮内膜症がある場合の不妊治療で、方針を決定するのも簡単な
ことではありません。

子宮内膜症の化学的な影響とチョコレート嚢胞の治療についての3つの発表
をご紹介します。

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子宮内膜症の化学的な影響について

子宮内膜症の発生に伴い、お腹の中や卵巣に、妊娠する力を低下させる可能
性のある化学的な変化がおこっている。
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子宮内膜症が妊娠する力の低下に及ぼす影響には、物理的影響と化学的影響
があると考えられています。

物理的影響とは、子宮内膜症によって卵管周辺に癒着が発生し、卵管の通り
が悪くなったり、詰まってしまうことで、治療は、当然、癒着をはがし、卵
管の通りをよくすることで、不妊原因になるメカニズムも治療方法も明確で
す。

一方、化学的影響については、さまざまな基礎的な研究が行われています。

長崎大学産婦人科では、子宮内膜症女性とそうでない女性の腹水を調べ、子
宮内膜症女性の腹水には、炎症を促進する化学物質の濃度が高いことを確認
したと報告しました。

また、東京大学産婦人科でも同様のことを確かめ、子宮内膜症の発生に伴い
お腹の中や卵巣に、妊娠する力を低下させる化学的な変化がおこっているの
ではないかとして、新たな治療法を開発したいと報告しています。

これまでの内外の研究では、子宮内膜症による炎症体質を緩和し、妊娠する
力を高めるためにオメガ3脂肪酸の摂取が注目されています。


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卵巣チョコレート嚢胞の治療について

チョコレート嚢胞では、体外受精で高い妊娠率を目指す、採卵数を増やすこ
とを目的とした場合、嚢胞内容吸引治療が最も優れている。
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子宮内膜症が卵巣に発生し、毎月の出血で吸収しきれなくなった血液が次第
に溜まり、それが古くなって茶色いドロドロになり、チョコレートのように
なるチョコレート嚢胞は、大きくなると手術療法が必要になります。

手術療法には、卵巣嚢腫摘出術、嚢胞壁焼灼術、エタノール固定術及び吸引
洗浄術などがありますが、しっかりと病巣を治療するほど、正常な卵巣組織
へのダメージが大きくなり、その後の妊娠にマイナスの影響を及ぼしてしま
い、反対の卵巣へのダメージの小さな治療だと、今度は再発する確率が高く
なってしまい、大変悩ましいところがあります。

群馬大学医学部付属病院産婦人科では、全国の不妊治療を実施する施設にア
ンケートを実施し、子宮内膜症による不妊症では、原因不明不妊症に比べて、
採卵個数が少なく、妊娠回数が少ないこと、そして、チョコレート嚢胞に対
する手術方法と採卵数では、嚢胞の大きさによらず、内容吸引/アルコール
固定治療が、その他の手術方法に比べて採卵数が多かったと報告しています。

そのため、チョコレート嚢胞では、体外受精で高い妊娠率を目指す、採卵数
を増やすことを目的とした場合、嚢胞内容吸引治療が最も優れていることに
なるとしています。


━ 低刺激周期と調節卵巣刺激周期の治療成績

高度生殖医療においては、適切な卵巣刺激を実施し、複数個の卵胞を発育さ
せ、採卵し、妊娠に至るだけの力を備えた卵を得ることが妊娠できるかどう
かを左右する最も大きなポイントになります。

そのためにはそれぞれの患者に最適な卵巣刺激法を選択し、実施する必要が
ありますが、世間では、卵巣刺激法そのもののメリット、デメリットだけを
選択基準にするかのような風潮があるに思えます。

JISART(日本生殖補助医療標準化機関)25施設のおける低刺激周期と調節刺
激周期の臨床成績の比較検討では、結論として、新鮮胚における妊娠率(対
周期)は、39歳未満では調節刺激法は低刺激法より有意に高くなったと発
表しています。

尚、調節刺激法とは、排卵誘発剤を使用して、卵巣を刺激して複数の卵胞を
発育させる方法のことです。

以下に浅田レディース名古屋駅前クリニックの40歳以上の卵巣刺激法別治
療成績の発表をご紹介します。

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40歳以上の卵巣刺激法別治療成績

40歳以上であっても、通常の卵巣刺激が可能な卵巣予備能が良好であれば、
ある程度の成績が期待できる。一方、卵巣予備能が低く、通常の刺激法がで
きないケースでは、より個々に対して対応する必要がある。
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浅田レディース名古屋駅前クリニック浅田義正院長は、年齢とAMH(アン
チミューラリアンホルモン)により卵巣刺激法を決定し、実施した40歳以
上の患者の治療成績を発表されました。

調節卵巣刺激(卵巣を刺激して複数個の卵胞を発育させる)を行った場合の
採卵あたりの妊娠率は以下の通りです。

▼採卵あたりの妊娠率(2009年)

・41~43歳 27.5%
・43歳以上 20.3%

因みに35歳以下では

・30歳未満 76.8%
・31~35歳 68.0%

40歳以上になると、妊娠率は極端に低下するものの、AMHにより、卵巣予
備能が良ければ、卵巣刺激を実施することで、ある程度の成績が期待できる
ことが判明したとのことです。

また、胚の発生については、3日目迄は大きな差はなかったものの、5日目
の胚盤胞形成率や良好胚盤胞率は40歳以上で大きな低下がみられたとのこと
です。

一方、AMHが低値で、低刺激法を採用せざるを得なかった場合は以下の通
りです。

▼凍結融解胚移植あたり妊娠率・流産率

・40~42歳 16.7%・31.3%
・43歳以上 10.6%・60.0%

低刺激法の妊娠率は凍結融解胚移植あたりですので、採卵あたりで算出する
とさらに低くなるはずです。


━ 男性不妊患者に対する高容量コエンザイムQ10療法

精液検査の結果、精子濃度や精子運動率が基準値を下回ることが判明し、そ
のことが妊娠しづらくなっていると考えられる場合、女性側に人工授精、も
しくは、程度によっては、体外受精や顕微授精が実施されるのが一般的です。

ところが、男性側の改善を試みることによって、自然妊娠、もしくは、女性
に対して、より負担の軽い治療で妊娠を目指すことが可能です。

そのための有用な方法を、当社のサプリメントを使って確かめ、発表されま
した。

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男性不妊患者に対するサプリメント療法

男性不妊患者に対する高容量コエンザイムQ10療法(SOサポート)は精子
の運動率を高める。
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高容量のコエンザイムQ10やビタミンC、ビタミンEが配合された、当社
製サプリメント「SOサポート」を、獨協医科大学越谷病院泌尿器科、梅ヶ
丘産婦人科、セントウィメンズクリニック、大宮レディースクリニック、順
天堂大学医学部泌尿器科、社会保険蒲田総合病院泌尿器科、産婦人科菅原病
院、越田クリニックの男性不妊外来を受診した男性不妊患者に投与し、その
効果を検討しました。

169名の男性患者のSOサポート服用前と服用後1、3、6、9、12ヶ
月後の精液量、精子濃度、運動率、奇形率を調査しました。

その結果、服用後3ヶ月の時点で有意に精子運動率の改善が認められ、精子
濃度も上昇傾向を示しています。精液量や奇形率については差は認められま
せんでした。

服用後、48例が妊娠(28.4%)、その内、16例(9.5%)は自然妊娠でした。

このことから、SOサポートは男性不妊治療において、有用であることが示
唆されたとのことです。


━ 睡眠時間と不妊治療成績

睡眠時間や睡眠時間帯が健康に及ぼす影響について指摘さてていますが、こ
れまで、睡眠時間と不妊治療の成績についての報告はありませんでした。

胚移植を実施した患者を対象に調べたところ、睡眠時間と着床率に有意差が
確認されたとの発表がなされました。

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睡眠時間が着床に影響する

着床したグループでは着床しなかったグループく比べて、有意に睡眠時間が
長い。
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医療法人オーク会オーク住吉産婦人科で、胚移植を実施した114例に、胚
移植時に複数のストレス度の指標に関する測定や問診を実施し、着床との関
係を調べました。

その結果、ストレス度と着床の関連性は認められなかったが、着床グループ
は非着床グループに比べて、有意に睡眠時間が長いことがわかったとのこと
です。

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記事についてのご意見やご感想は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


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 妊 カ ラ 編 集 室 か ら
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当社製品の男性不妊患者への投与効果が日本生殖医学会で発表されました
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トピックス「日本生殖医学会ハイライト」でもご紹介しましたが、当社製サ
プリメント「SOサポート」の服用後3ヶ月で、男性不妊患者の精子運動率
が改善されたことを臨床試験で確かめられ、12月8日~9日に横浜のパシ
フィコ横浜にて開催されました、第56回日本生殖医学会学術講演会にてポ
スター発表されました。

"気休め"でなく、有用なサプリメントを目指し、専門のドクターにサポー
トをいただき、自社製品の開発につとめてきましたが、実際に不妊治療クリ
ニックでその有用性が確認されたことを大変嬉しく思っています。

今後も、先生方のご協力のもとに有用な製品をお届けできるように努めたい
と思います。

▼SOサポート
http://www.nature-g.com/shohin/naturesgift/so_support.html


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 株式会社パートナーズ運営サイト
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▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
http://www.akanbou.com/

▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/index.html

▼医師がサポートするサプリメントセレクトショップ
→「ネイチャーズギフト」
http://www.nature-g.com/

▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html

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ツイッターからもさまざまな情報を発信しています。サイトに紹介するほど
でもない研究報告やトピックなども紹介しています。よければフォローくだ
さい。また、皆さんの声もお聞かせいただければ嬉しいです。

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http://twitter.com/ninkara


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 編 集 後 記
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12月の8日、9日の日本生殖医学会では、企業ブースを出展し、当社の製
品(サプリメント)を展示しました。

SOサポートの有効性が発表されたこともあり、多くの先生方に関心をもっ
ていただきました。

大変嬉しく、ありがたいことに違いないのですが、唯一、講演を聞くことが
できないのが辛いところでした。

それでも、先生方の少ない時間帯を狙って、可能な限り、勉強もしてきまし
た。

とにかく、勉強の成果を、役に立つ情報の発信においても、役に立つサプリ
メントの提供においても、着実に活かしていきたいとの決意を新たにしまし
た。

とにかく、頑張ります!

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.443
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
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◎配信部数
・自社配信: 201部
・まぐまぐ:5,028部
・合計部数:5,229部(12月11日現在)
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