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VOL.440 体が本来持っている妊娠する力を取り戻す(後半)

2011年11月20日

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 妊娠しやすいカラダづくり 第440号 2011年11月20日発行

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 お子さんを望まれるカップルを応援します。

 なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
 悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
 "自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
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━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼今月の特集(2)
体が本来持っている妊娠する力を取り戻す(後半)

▼妊カラ編集室から

▼編集後記


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 今 月 の 特 集
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 体が本来持っている妊娠する力を取り戻す(後半)
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「体が本来持っている妊娠する力を取り戻す」をテーマに、埼玉県の大宮レ
ディスクリニック院長の出居貞義先生へのインタビュー記事の後半です。

▼前半

1)まずは、妊娠する力を取り戻すことから
2)健全な卵子を育むには?
3)ほとんどの不妊患者さんは潜在的に鉄が不足しています

▼後半

4)低蛋白血症、低コレステロール血症、そして、ビタミンB6や亜鉛が不足
5)体内の栄養環境の最適化のために
6)細胞のアンチエイジングが治療の本質


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 低蛋白血症、低コレステロール血症、そして、ビタミンB6や亜鉛が不足
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出居先生)卵の細胞増殖に必須であるにもかかわらず、不妊患者さんに不足
しがちな栄養素は鉄だけではありません。意外に思われるかもしれませんが、
低たんぱく血症、低コレステロール決症の患者さんが少なくありません。

細川)たんぱく質やコレステロールが不足している患者さんが多いと。

出居先生)たんぱく質は、細胞の材料であり、さまざまな代謝を進める酵素
の原料になり、さらには、栄養素の運び屋でもあるわけですから、細胞増殖
の根本で働いています。

また、コレステロールについては、世間では悪者扱いですが女性ホルモンの
材料でから生殖活動においてはとても重要です。

細川)いずれも細胞分裂、増殖のベースで重要な役割を担っているのですね。

出居先生)次は、ビタミンB6。ビタミンB6は、消化吸収されたアミノ酸が必
要なたんぱく質に再合成される際に必要なとても大切なビタミンなのです。
もしも、ビタミンB6が不足すると、酵素やたんぱく質が合成できないため代
謝がうまくいかなくなりますので、よい卵の発育が阻害されるおそれが出て
くるわけです。

細川)これも根本の役割と言えますね。

出居先生)とても重要な役割を担っているにもかかわらず、精製食品や加工
食品を食べることの多い現代では十分に摂りづらいビタミンです。

細川)なるほど。

出居先生)そして、亜鉛ですね。亜鉛は、男性にとっても、女性にとっても、
生殖活動にとても重要なミネラルであることは、比較的、よく知られている
と思います。細胞が分裂する時の核酸の代謝に関与しています。

細川)このミネラルも細胞の増殖に不可欠な役割を担っているわけですね。

出居先生)はい。そして、エストロゲンやピルを服用したり、食事を摂ると
亜鉛濃度は低下し、反対に空腹時に上昇します。飽食の時代と言われている
現代には多くの方が亜鉛欠乏に陥り、いつもお腹を空かせている発展途上国
で多産であることは頷けるのではないでしょうか。

細川)とても興味深く、また、考えさせられるお話です。

---[この章のポイント]---------------------------------------------

たんぱく質やコレステロール、ビタミンB6、亜鉛は、いずれも卵細胞の分裂、
増殖に絶対に必要で、重要な役割を担っているにも関わらず、不足している
患者さんが少なくない。


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 体内の栄養環境の最適化のために
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細川)これまでのお話で、私たちの身体に本来的に備わっているはずの妊娠
する力が低下している方が多いのは、よい卵が育つためには不可欠な栄養素
が十分に足りていないことが深く関わっていることがよく分かりました。

出居先生)ここを見ないままに不妊治療を繰り返すのは、木を見て森を見ず
と言っても決して過言ではないと思います。

細川)全くの片手落ちであるというわけですね。

これらの栄養素をバランスよく摂るために、患者さんにはどのような指導を
なさっていらっしゃるのでしょうか?

出居先生)食事指導や生活習慣の改善に力を入れています。

具体的には、主食にはなるべく玄米を食べることをお勧めしています。玄米
にはビタインB群やミネラル、補酵素類がバランスよく含まれているからです。

玄米食をなかなか食べられないという人には、雑穀を混ぜる、麦飯を食べる
のもいいと思います。

また、糠をたくさん使って麹菌で発酵させた「玄米発酵食品」は非常に優れ
た食品ですので、外食で玄米が摂れないときなどには利用するとよいでしょ
う。

細川)まずは、出来るだけ精製度の低い穀物を主食にするということですね。

出居先生)そうです。また、納豆やみそなどの発酵食品には消化酵素が含ま
れているので、消化を助ける働きがあります。私たちの食べ物の多くは加熱
処理されていますので、酵素は枯渇気味ですが、私たちの体を元気にするに
は酵素は必須のものです。

細川)発酵食品を食べて酵素を補給するということですね。

出居先生)また、コーヒーやお茶、清涼飲料水ではなく、お水を飲むように
したいですね。

細川)飲み物のことですね。

出居先生)はい。朝起きてすぐ、食事の30分から1時間前に飲むようにす
るといよいでしょう。そして、カフェインの摂り過ぎには注意が必要です。

また、飲み物で言うと、砂糖入りのジュースも控えめにすべきです。砂糖入
りのお菓子もそうですが、とにかく、白砂糖は体の中でエネルギーになる時
にビタミンB群や貴重なミネラルを消費してしまいます。体温を下げるため
冷え性の原因になります。

細川)果糖が含まれる果物はどうでしょうか?

出居先生)果物はビタミンやミネラルが豊富ですが、少量を、食後ではなく、
朝一番などの空腹時に食べるとよいでしょうね。

細川)サプリメントについてはいかがでしょうか?いろいろな種類のものが
あって、どんなものがいいのか、迷っていらっしゃる方が多いようです。

出居先生)そうですね。推奨できるサプリメントは、酵母や乳酸菌などの発
酵したものを主原料とするものです。

また、加工度の高い食品が体によくないのと同じように、毎日摂るサプリメ
ントも、加工度、精製度の高い、合成された安価なサプリメントよりも、天
然由来のものがよいでしょう。体内での吸収度、活用度が高いことが分かっ
ているからです。

細川)合成原料よりも、身体との親和性の高い、酵母などの天然由来原料の
ものがベターだというわけですね。

出居先生)そうです。


---[この章のポイント]---------------------------------------------

体内の栄養環境の最適化のために

・主食はなるべく玄米食にする。
・玄米を食べるのが難しければ玄米発酵食品を利用するとよい。
・発酵食品を食べて酵素を補給する。


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 細胞のアンチエイジングが治療の本質
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細川)出居先生のお話しをお伺いし、特別な原因がないのにも関わらず、な
かなか授からないカップルにとって、何が大切なのかが理解出来ました。

出居先生)卵巣や子宮、ホルモン値など、部分だけでなく、まずは、健全な
成熟卵を育む環境である女性の体の健全性を見ることが大切です。

細川)そもそも、先生は、不妊治療を始められた頃からそのようなお考えに
立たれて、患者さんに食生活や生活習慣の改善指導に取り組んでおられたの
でしょうか?

出居先生)いいえ。はじめは半信半疑でした。きっかけになったのは、平成
16年10月に二人目のお子さんを希望して当院を初診した患者さんで、お一人
目のお子さんは4年5ヶ月のあいだに顕微授精を4回して、やっと授かった
という34歳の方でした。

その方が第2子希望にて、当院で顕微受精を受けられましたが、採卵数も3
個と少なく、2個受精卵を戻しましたが妊娠できませんでした。

その時の落胆されたご様子から、2度目の顕微授精ではなんとしても、妊娠
をさせてあげたいという思いがこみ上げてきました。

そこで考えついたのが、玄米発酵食品による体質改善です。

細川)最初は苦肉の策だったというわけですね。

出居先生)そうなのです。なぜ玄米だったのかというと、私の長男がアレル
ギー性鼻炎でして、薬では全く改善しないためレーザー治療を勧められたの
ですが、玄米発酵食品服用でほぼ治癒したという経験があったからです。

その頃は手探りでしたが、玄米発酵食品をこの患者さんに、一日3包、6ヵ
月服用してもらい、再度顕微授精を行いました。

すると採卵数も6個と改善が見られ、2個胚移植して妊娠が成立し、H18年
4月に待望の2人目を正常分娩されました。

細川)玄米発酵食品を半年続けることで、発育卵の数が増え、質もよくなっ
たと。

出居先生)そうです。それ以来、この経験をもとに、ホルモン検査で女性ホ
ルモンが少ない患者さんや低体温の方、月経不順の方にも勧めてみたところ、
体質改善により、簡単に妊娠される方が出来きました。

このような経験から、玄米食が本来の未病の状態を改善し、その人本来の健
康が戻る事により、自然に妊娠が成立しうるのだという結論に至ったわけで
す。

細川)よく分かりました。

出居先生)妊娠は「健康な人に許される自然の恵み」です。

細川)健康な人に許される自然の恵み・・・。

出居先生)そうです。ところが、それを排卵誘発や人工授精、体外受精しか
治療法がないとするのは、まるで「癌治療は手術と抗がん剤、放射線治療し
かない」と考えている日本の医療の寂しい姿に似ています。

細川)はい。

出居先生)私たちの体に癌細胞がないのではなくて、毎日二千~三千個のが
ん細胞が絶えず生まれているが、それをリンパ球などの自己免疫細胞が毎日
見つけて退治している事を忘れているのと同じなのです。

細川)まずは、私たちに備わった妊娠する力を取り戻すことから取り組むこ
とが大切だというわけですね。

出居先生)細胞のアンチエイジングが治療の本質です。

細川)本日は大変貴重なお話しをお伺いできました。本当にありがとうござ
いました。


---[この章のポイント]---------------------------------------------

・その人の本来の健康が戻ることで自然に妊娠が成立する。
・細胞のアンチエイジングが治療の本質である。

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http://www.omiya-lc.com/staff.html

★大宮レディスクリニック
http://www.omiya-lc.com/index.html

★妊娠しやすい身体へ "体本来"の力を取り戻しましょう
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 編 集 後 記
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これから冬にむかい、涼しい季節から、寒い季節になっていきます。

気温が下がると、自然に私たちの身体も冷えやすくなりますが、それでも、
冷えやすい人と、冷えにくい人があり、個人差が大きいものです。

それぞれの体質によるものですが、生まれつきだからどうにもならないわけ
ではありません。

少しの努力で冷えにくいカラダをつくることは可能です。

単に身体をあたためるだけでなく、冷えにくい体質にすることが最大の冷え
性対策です。

そして、冷えにくい体質にするというと、大げさに聞こえるかもしれません
が、それは暮らしの中のちょっとした心がけで可能になります。

たとえば、朝ご飯。コーヒーやジュースにトースト、生野菜なんていうメニ
ューは内臓を冷やしてしまいますが、納豆に卵、焼き魚に味噌汁という典型
的な和の朝食で、1日のスタートに熱をつくる材料を確保すると、違ってく
るはずです。

また、複式呼吸も効果的です。

全身の力を抜き、軽く息を吸って、自然に息を吐きます。自然に息が出たら、
お腹をゆっくりとへこませていって、口から息を吐きます。息を吐ききった
ところで、さらにハーッと息を出すようにして、十分に吐ききります。

吸うときは、お腹の力を抜きます。すると自然に、息がお腹に入ってきて、
ふくれます。

吸うときは、鼻からお臍を通り、下腹部まで入ってゆくようにイメージする
のがポイントです。息は鼻から吸い、口から吐くのが基本です。十分に吸っ
たら、数秒間保ち、力をよく抜いて、自然に息を出し、これを繰り返します。

コツは、どちらかといえば、吐くほうを意識してやることです。

うまく複式呼吸が出来るようになると、これだけで、手足がポカポカしてく
るようになったり、緊張がほぐれ、リラックスできるようになります。

また、いつでも、どこでも出来ますから、たとえば病院の待合室で治療に入
る前に実践するのもよいかもしれません。

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 妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]         VOL.440
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
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・まぐまぐ:5,045部
・合計部数:5,246部(11月21日現在)
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