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VOL.252 炭水化物は量より質

2008年03月31日

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           妊娠しやすいカラダづくり

  2008/3/31 No.252
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http://www.akanbou.com
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
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》今週の更新情報
》ファーティリティダイエット:第3回 炭水化物は量より質
》妊娠しやすいカラダづくり編集室から
》編集後記

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           今 週 の 更 新 情 報
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サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2008年3月29日 最新ニュース
妊娠後期のオメガ3脂肪酸の摂取は子どもの脳の発育によい
http://www.akanbou.com/news/news.2008032901.html
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2008年3月28日 最新ニュース
体外受精や顕微授精が子どもの神経発達に及ぼす影響
http://www.akanbou.com/news/news.2008032801.html
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2008年3月27日 最新ニュース
精液検査時の精液の採取は自宅でも病院でもよい
http://www.akanbou.com/news/news.2008032701.html
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2008年3月26日 Q&A
2回続けて流産して不安でいっぱいです
http://www.akanbou.com/qa/qa.2008032601.html
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2008年3月25日 最新ニュース
女性の年齢と不妊原因との関係
http://www.akanbou.com/news/news.2008032501.html
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2008年3月24日 Q&A
医師に体外受精を勧められましたが、夫が嫌がっています
http://www.akanbou.com/qa/qa.2008032401.html
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上記の記事についてのご質問等は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
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        連載企画「ファーティリティダイエット」
            
          第3回 炭水化物は"量"より"質"
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ファーティリティダイエットの3回目です。

前回は「妊娠する力を高める食べ方10か条」をご紹介しました。
http://archive.mag2.com/0000116311/20080302163915000.html

今回から、それぞれのテーマごとに詳細を解説して行きたいと思います。

まずは、炭水化物のとり方からです。

今、この炭水化物の食べ方が、
生殖活動に及ぼす影響が無視できないレベルになりつつあります。

どういうことなのか、まずは、簡単に説明します。

たんぱく質や脂質とともに三大栄養素とされている炭水化物ですが、
お米やパン、うどん、そば、砂糖などですね。

炭水化物はブドウ糖に消化、分解されて、
細胞の主要なエネルギー源、
特に、脳にとっては、唯一のエネルギー源になります。

私たちが生きていくためには、
脳や身体の細胞に対して、必要に応じて、
エネルギー源がスムースに供給されなければなりません。

ですから、炭水化物を食べて、
消化器官で消化、肝臓で分解され、血液中に供給されたブドウ糖は、
インスリンとグルカゴンという2つのホルモンの絶妙なチームワークで、
全身の細胞に送り込まれています。

脳や身体が常に最高の状態で活動するため、
人間に備わったエネルギー源供給メカニズムと言えます。

ところで、このメカニズムは、
炭水化物が精製され、加工された形を想定していないのですね。

人間の身体の仕組みは、元来、主に、野菜や果物、
そして、精製していない自然なままの穀物を食べることで、
炭水化物を取り入れ、エネルギー源を得るように出来ています。

ですから、現代の食生活のように、
ほとんどの炭水化物を、きれいに、美味しく、日持ちをよくするために、
精製したり、加工したりするようになって、
身体のメカニズムが悲鳴を上げてくるようになってきたのです。

なぜなら、炭水化物を精製、加工すればするほど、
ブドウ糖となって血液中に供給されるスピードが早くなるため、
インスリンが混乱してしまうという事態が引き起こされてしまうからです。

このインスリンの混乱が、場合によっては、
2型糖尿病のはじまりになったり、
生殖ホルモンのアンバランスを招いてしまい、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因の一つになったりして、
正常な卵の成熟や排卵に支障がきたす恐れがあるということです。

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        第3回 炭水化物は"量"より"質"
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★問題になるのは血糖値のあがり方

炭水化物の食べ方の影響について、
もう少し、詳しくみてみることにしましょう。

炭水化物を食べると、消化、吸収され、
ブドウ糖になって血液中に送り込まれます。

血液中のブドウ糖濃度のことを血糖値といいますが、
食後に血糖値が上昇するのはこのためです。

通常、血糖値は一定の範囲内に保たれています。

問題は、この血糖値の上昇するスピードです。

野菜や果物、精製していない穀物から摂ると、
食物繊維などが含まれるので消化に時間がかかるため、
血糖値は、ゆっくりと上昇します。

そうすると、ブドウ糖を細胞に送り込むことで、
血糖値を下げる働きをするインスリンも、
すい臓から、ゆっくりと分泌され、穏やかに血糖値が下降していきます。

ところが、精製、加工された炭水化物や砂糖は、
血糖値を急激に上昇させるのです。

そうなると、インスリンも大量に分泌されますから、
今度は、血糖値がストンと下がってしまいます。

血糖値の急激な上昇、下降を繰り返しているうちに、
インスリンの効き目が悪化するため、
次第に、インスリン量が増えてしまうことになります。

インスリンの効き目が悪くなる(インスリン抵抗性)と、
2型糖尿病のリスクが高くなるだけでなく、
インスリン濃度が高い状態は、生殖ホルモンを混乱させます。

一例として、高インスリン状態は、
女性ホルモンと男性ホルモンのバランスを乱します。

結果として、排卵しにくくさせたり、排卵を止めてしまいます。

これが、現代の食生活に特有の食べ方のせいで、
血糖値を急上昇させることで、
混乱したインスリンが生殖ホルモンのバランスを乱し、
妊孕性を低下させるメカニズムです。

★2つの研究報告から

高血糖やインスリン抵抗性は、
PCOSの一原因になるだけではありません。

健康な女性においても、
妊孕性を低下させる傾向がみられるとの報告があります。

デンマークの大学病院で、
高血糖と妊孕性の関連を調べるために、
妊娠を希望する165人の健康な女性を対象に、
血糖レベルの判定に使われるヘモグロビンエーワンシーのレベルと、
妊娠までに要した期間を調べました。

その結果、血糖レベルが高い女性ほど、
妊娠するまでに長い期間を要することが分かりました。

また、「看護師健康調査」では、
18555人の看護師に、2年に1回の割合で、
8年間に渡って、食生活と妊娠、出産の動向を調査したところ、
炭水化物の摂取量と妊孕性には関連性は見られなかったのですが、
ブドウ糖負荷(血糖値を上げるスピード)の高い食品を、
たくさん食べる女性ほど、
排卵障害による不妊が多かったことは分かりました。

★血糖値を上げない食べ方を

大切なのは"血糖値を上げない食べ方"です。

どんなものをどのように食べるのかで、
血糖値の上がり方は随分と違ってくるようです。

それぞれのポイントを列挙しました。

◎食べ方

・一度にたくさん食べないようにする
・ゆっくりとよく噛んで食べるようにする
・朝食を抜かないようにする
・朝食に血糖値の上がりにくい食事をするようにする
・空腹時に砂糖入りの甘いものを食べたり、飲んだりしないようにする
・糖質は先に食べない(野菜→たんぱく質→脂質→糖質)ようにする
・ネバネバしたもの、酢の物、食物繊維を一緒の食べるようにする
・甘いものは食前ではなく、食後に食べるようにする
・アルコールは飲み過ぎないようにする
・食事と食事の間隔はあけすぎないようにする

◎食品

・精製度の低い穀物(玄米、全粒粉パン、全粒粉パスタ)を食べるようにする
・ファーストフードはあまり食べないようにする
・砂糖は極力摂らないようにする
・清涼飲料水は飲まないようにする
・豆、野菜、果物、キノコ、海藻、を毎日食べるようにする
・砂糖の代わりに、ハチミツやメープルシロップを食べるようにする

★炭水化物は量より質を重視

一時期、ごはんを抜いたりする炭水化物ダイエットが流行りました。

炭水化物が大切なエネルギー源であることから、
特に、脳はブドウ糖だけをエネルギー源としていますから、
炭水化物を食べないのは、大変な間違いでです。

そして、妊娠する力という観点から言えば、
大切なことは、炭水化物の量ではなく、質であると言えます。

具体的には、もうお分かりいただけたかと思いますが、
ゆっくりと消化され、
食べた後の血糖値の上昇が穏やかな食べ方をすることです。

それぞれの食品の消化の要する時間の目安になるものとして、
GI値(グリセラミックインデックス)があります。
http://www7.plala.or.jp/pon31/gi.html

GI値が低い食品ほど血糖値があがりにくいとされています。

さて、血糖値を上げない食べ方を心がけ、
インスリンをコントロールすることは、
トータルの健康のためにも、実は、とても大切なことです。

インスリンの効き目がよくて、インスリンの量が少ない人ほど長生きです。

また、妊娠前から血糖値を上げない食べ方を心がけることは、
妊娠糖尿病の予防にもなります。

食べ物について、
便利さや手軽さを追求しすぎると、
しっぺ返しを受けることになるようです。

是非とも、今日から、血糖値を高めない食べ方を工夫してみてください!

---[参考文献]-------------------------------------------------------

The Fertility Diet J.E.CHAVARRO、W.C.WILETT

Human Reproduction 1999;14:1478-82

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編 集 後 記
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この号の配信が月曜日になってしまったことをお詫び申し上げます。
大変お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。

あくまで、配信遅延とは全く関係ないのですが、
実は、花粉症でダウンしてしまいました。

はじめは、のどの痛みやはれは風邪だとばかり思っていましたが、
次第に、咳が止まらなくなってしまい、喘息になってしまいました。
そのうえ、気管支がはれているのか、
たまに、呼吸困難になる始末で、胸や背中がとても痛みます。
胸から首、そして、頭までが固まってしまった感じで、
頭痛もこれまで経験したことのないレベルです。

この2、3日でようやく、声を出せるようになってきました。

はっきり言って、花粉症をなめていました。
花粉症がこれほどのものになるとは、
これまで想像だにしていませんでした。

知識として知ってることと、
実際に経験して知っていることは、全く別物ですね。

元々、花粉症には縁がなかったのですが、
さまざまな原因で、一気に、
いろいろなバランスが崩れてしまったように思います。

自律神経、ホルモン、免疫のシステムは、密接だということを体感しました。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] No.252
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◎発行部数
・自社配信: 1,005部
・まぐまぐ: 5,817部
・合計部数: 6,822部(3月31日現在)
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【発行人】 細川忠宏(不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
【監 修】 西川 浩(医師・心斎橋中央クリニック院長)  
【WEB】 http://www.akanbou.com
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