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VOL.109 有害な物質をどう考える?

2005年06月18日

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           妊娠しやすいカラダづくり 
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 2005/6/18 #109  
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
自分たちで答えを出すためのヒントになるような、
そんな不妊に関する様々な情報を、出来る限り客観的な視点で提供します。
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みなさん、こんにちは。
いつもお読み下さってありがとうございます。

体外受精による出生児は背が高いという調査結果を、
6月9日の最新ニュースで紹介しました。

これは、ニュージーランドの大学で実施され、
アメリカで開催された内分泌学会で発表されたものです。

体外受精による出生児50人と自然妊娠による出生児60人の比較という、
小規模な調査ですから、もちろん、体外受精による出生児の傾向として、
結論づけるのは早計ではありますが、大変興味深い結果です。

体外受精児の方が、妊娠期間は、1週間程度短く、
出生時の体重も軽いのですが、
調査時の6歳から7歳になると、体外受精児の方が身長が高く、
さらに、血液中の脂質については、
体外受精児の方が善玉コレステロール値が高く、
中性脂肪や悪玉コレステロールが低いことが判明しました。

研究者は、体外受精によって、
成長や脂肪の調整のかかわる遺伝子が、
何らかの影響を受けたのではないかとしています。

そして、同じ日に、妊娠中に母親の栄養が不十分だと、
子供が成長後に肥満になりやすいことを、
京都大学の研究チームがマウスの実験で確かめたという報道がありました。

これまでも、妊娠中の母親の栄養状態によって、
低出生体重児となるリスクが高まり、
成長後は肥満になったり、
生活習慣病にかかりやすくなると言われています。

イギリスのバーカー教授は、
その著書、「胎内で成人病は始まっている(ソニーマガジンズ)」で、
赤ちゃんは、母親の胎内の栄養不足に適応するために、
太りやすい体質になると指摘しています。

要するに、少ない栄養でも生きていけるように、
成長にブレーキをかけて、
消費エネルギーを減らすように適応するというのです。
胎児と言えども、健気な頑張りに驚かされます。

ところが、悲しいかな、消費エネルギーが少ない体質になると、
生まれてからは、同じ量の食事をしても肥満になるというわけです。

ところで、高度な治療でしか妊娠出来ないのだけれども、
どうも、医療が生殖に介入するという、
そんな"不自然さ"による影響が心配で、という相談をよく受けます。

決して、高度な治療を安易に考えるわけではありませんが、
体外受精や顕微授精のような高度な治療は、
妊娠するまでは、"不自然な"プロセスがあったとしても、
それで、全てが決まる訳ではありません。

自然な妊娠でも、その後の母親の体重や栄養状態、
さらには、精神状態や周囲のタバコの煙りなどなど、
大きなリスクを抱え込んでしまう場合も大いにあり得るわけです。

ですから、妊娠までのプロセスにかかわらず、
その後の両親がつくっていく環境がとっても大切であることを、
この2つのニュースは教えてくれたように思います。

それでは、今週の更新情報です。


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            ★今週の更新情報★
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2005年6月15日 Q&A
戸惑いを感じています
http://www.akanbou.com/qa/qa.2005061501.html
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2005年6月13日 Q&A
結婚していないのですが・・・
http://www.akanbou.com/qa/qa.2005061301.html
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2005年6月13日 最新ニュース
不妊に鍼灸「好影響」
http://www.akanbou.com/news/news.061301.html
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上記の記事についてのご質問等は、下記のアドレス宛お寄せ下さい。
news-master@akanbou.com


---[Q&Aについて]-----------------------------------------------

    Q & A の 回 答 に つ い て     

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今年の春くらいから、Q&Aへのご相談が急増しています。

これまでのところ、サイトにアップしている数倍のご相談を頂いており、
その都度、個別にメールにて、回答をお送りしています。

さまざまな内容のご相談にしっかりと対応していくべく、
この度、医学的見地から、また、賢い患者としての見地から、
それぞれの専門家に、それぞれの見地からの回答をお願いしました。

今後は、それぞれの回答に回答者名をクレジットします。

それでは、ご紹介させて頂きます。

【医学的見地から】--------------------------------------------------

梅ヶ丘産婦人科 院長 辰巳賢一 先生

医学的見地からの回答をお願いしています。

辰巳先生は、日本不妊学会、日本受精着床学会の評議員で、
毎週のべ700人以上の診療にあたられる、
日本のトップクラスの不妊治療医でいらっしゃいます。

梅ヶ丘産婦人科(東京都世田谷区)のサイト
http://www.u-m-e.com/index.html

【賢い患者としての見地から】----------------------------------------

メディエンス代表 池上文尋 氏

あの、オールアバウトの不妊治療のガイドをつとめておられる池上氏は、
日本全国の不妊クリニックの取材経験を生かした回答をお願いしています。

オールアバウト「不妊治療」のサイト
http://allabout.co.jp/children/sterility/

【不妊カウンセリングという観点から】--------------------------------

妊娠しやすいカラダづくり 発行人 細川忠宏

これまで通り、カップルが後悔しない選択をされるため、
二人で考える道筋やヒントになるような回答を心掛けます。

不妊というのは、本当に個別性の高いものです。

つくづく感じます。

正しい情報を提供することによって、
少しでも多くの方々のお役に立てるように、
これからも、真面目に取り組んでいきたいと考えています。

--[不妊に関するご相談は]------------------------------------------
人には聞けない不妊の悩み 専門家がお答します
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★ご相談は下記のページからどうぞ!
http://www.akanbou.com/qa/main.html


━<今日から実践できる妊娠術>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

         "妊カラ"ウィークリー【7】

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"妊カラ"ウィークリーです。

いろいろ、メールを頂いています。

有害物質の影響についての特集希望が多いように思います。
例の"環境ホルモン"もそうですが、
有害物質の人間の生殖機能への影響って、
限りなくグレイ(灰色)ですよね。

なんていうか、何をどれくらい気をつければ良いのか、
さっぱり分からないと思うのですが。

いかんせん、実態がきちんとつかめないものは、
心配すれば、どこまでも心配になるものです。

環境ホルモンは、一応、答えが出たはずなのに、
ことあるごとに取り上げられているように思います。

さて、先週の血液の巡りを良くする食品として取り上げた"青魚"について、
いくつかメールを頂いております。


-----[読者の方からのメールここから]-------------------------------

いつも興味深く拝見させて頂いています。
さて、今回の血液の巡りを良くする食品 青魚 について
つい最近知ったことがあるのです。

先日、実家の父が脳血栓で病院で入院しました。
幸い大したことがなく、1週間ばかりの検査入院で済み、
その間、栄養士さんから栄養指導も受けました。

青魚は血液をサラサラにし、蛋白源としてとても優れているから
積極的に摂るように言われました。
ただし、青魚でも干物は控えるようにと言われました。
塩分が高いからかなと思って質問したところ
塩分が高いと言う理由だけでなく
干物は光に当てて干す為、脂肪が酸化して
あまり良くない脂肪になってしまうからだそうです。

昔から青魚は良いと言われていたので
私自身、あまり好きではないけれど
食べるように努力してはいたんですが
いかんせん、調理法が思いつかず
ついつい、あぶってすぐに食べられる干物を
冷凍庫に常備しておりました。
これからは、生の青魚の料理法を勉強しなければと
反省しております。

-----[読者の方からのメールここまで]-------------------------------

Kさん、いつもありがとうございます。

魚に豊富なオメガ3脂肪酸の酸化には要注意ですね。

ただ、日本では、魚の干物は大昔から食してきました。
鮮魚よりも長持ちすること、
干物にすることで、うま味が増えて美味しくなるからです。
玄米にみそ汁、魚の干物は定番です。
生活の知恵は、抗酸化物質も一緒に取ることで、
"中和"しようとしたのでしょう。

確かに、干物は干す時点で、多少の酸化が進みます。
ただし、程度の問題であるとも言えると思います。
干物は鮮魚よりも長持ちしますが、
長期に保存出来るわけではありません。
干物も時間がたつほど酸化度が進みます。

鮮度の高いものを買って直ぐに食べること、
抗酸化食品と一緒に食べること等に留意すれば、
絶対に食べないというほど神経質になることもないと思います。

栄養士さんは、ダメと言う方が多いみたいですが・・・。

あと、干物の他にも、魚を揚げるのも避けたほうが良いみたいです。
なんでも、魚の油が、揚げることで、
揚げた油と入れ替わってしまうのだそうです。


-----[読者の方からのメールここから]-------------------------------

メルマガいつも楽しみに読んでいます。

編集長交替にいろいろ声があったようですが、お気になさらずに! 

食品についての記事が続いていますが、
かねてから気になっていたことを質問させて下さい。

魚、特に青魚がいいとは一般にも言われていますが、
この頃、水銀メチル(でしたか?)含有から、
特定の魚の摂取量を制限した方がいいというような報道も聞きます。
この件はどう考えたらよいでしょうか?

-----[読者の方からのメールここまで]-------------------------------

Fさん、ありがとうございます。

水銀、特に、メチル水銀ですね。

魚介類に食物連鎖によって、メチル水銀が蓄積し、
それを食べた妊婦は、胎児に影響を及すおそれがあるとされています。

厚生労働省が、注意を促している魚とその食べる量の目安は、

○バンドウイルカ 1回60〜80グラム 2ヶ月に1回まで
○ツチクジラ、コビレゴンドウ、マッコウクジラ、サメ(筋肉)
 1回60〜80グラム 週に1回まで
○メカジキ、キンメダイ 1回60〜80グラム 週に2回まで

いかがですか?

ほとんど、心配無用のようですね。

また、たとえば、キンメダイの食べる量が1回に30〜40グラムであれば、
週に4回までというように、量と回数をかけて目安としています。

いずれにしても、全く有害な物質が含まれない食品は存在しません。
ですから、全く有害な物質をとらないというのは現実的ではなく、
要は、それが、どの程度なのか、です。

許容できる範囲であれば、
カラダに有用な成分を摂取できるメリットのほうを優先するべきです。

◎〈今日から実践出来る妊娠術〉"妊カラ"ウィークリーで、
 希望するテーマやご質問があれば、どしどし、メール下さい!
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■編集後記 
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今回お知らせしたように、
一流の先生にご協力をいただけることは大変光栄なことです。

読者の皆さんからのご要望や応援によって、
今後とも、サイトや誌面の内容の充実を図っていき、
皆さんのお役に立てればと考えています。

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妊娠しやすいカラダづくり No.109
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【発 行】 株式会社ライフケアマネジメント内
      [妊娠しやすいカラダづくりプロジェクト]
【発行責任者】細川忠宏(不妊カウンセリング学会所属)
【編 集】 酒井奈緒
【監 修】  荻田浩司(内科医・医学博士)
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