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VOL.023 タイミング妊娠法〈前編〉

2004年01月18日

                         
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□■□       ◆妊娠しやすいカラダづくり◆
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◇           《毎週土曜日配信》        VOL.023

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》》》》》》》「自然療法による不妊改善」が、テーマです《《《《《《《
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妊娠の成立には、排卵→受精→分割→着床という4つの過程をクリアしなけ
ればなりません。ところが、このプロセスのどこかがうまくいかなくなると、
なかなか妊娠出来ません。不妊症になるおそれがあります。

まずはこの状態を病気と捉えるのではなしに、たまたま、うまくいかないと
ころをセルフケアによる、自然な方法によって、本来、私たちに備わってい
る生殖能力を取り戻すことにチャレンジしませんか?

そんなチャレンジを私たちは応援させて頂きます。

このメルマガの内容に関してのご感想、ご意見、
または不妊改善に関するご相談や体験談等をお寄せ下さい。
下記メールアドレス宛にお送り下さい。

◆メールアドレス:info@nature-g.com

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皆さん、こんにちは。いつもご購読ありがとうございます。
また、この号から購読を始められた方、
数あるメールマガジンの中から
当マガジンを選んで頂いてありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

1日遅れの配信をお詫びいたします。
またまた、流行にのって風邪を引いてしまいました。
反省しております(^_^;)。

不妊治療関連のニュースが報道されていましたのでご紹介します。

まずは、不妊治療への公的な助成が、
04年度の予算計上されたニュースです。
高度生殖補助医療、具体的には、体外受精や顕微受精に対して、
年10万円を上限に2年間、国と自治体から助成されるというものです。
ただし、婚姻届けを提出している夫婦であること、
夫婦の所得合計額が650万円以下という条件付きです。
厚生労働省が少子化対策の一環として、
04年度の予算案に約25億円が計上されました。

体外受精にかかる費用の相場が約30〜50万円で、
1回で終わる人の方が少ないことを考えると、
年10万円を上限とする助成金を少ないと考えるのか、
それとも例え10万円と言えども、
公的な助成金が支払われることに意義があると考えるべきなのでしょうか。
人、それぞれに考えがあるとは思いますが、
いずれにしても治療を進めていくことは、
常に貯金通帳とにらめっこしながらで、
大きな負担を強いられていることは間違いありません。
負担軽減という観点からすると、
年10万円の助成金ではあまり軽減にはなりません。
やはり不妊治療への保険適応が待たれるところでしょうか。
また、全く違った観点で考えると、
助成金にしろ、保険適応にしろ、負担を軽減することが、
高度な生殖補助医療をもっとエスカレートすることになって
"不必要"な治療が激増するのではないかという危惧もあります。
ですから、金額的な支援のみならず、
治療のガイドラインを明確にするとか、
不妊カウンセリングのレベルを向上させるような方策も同様に
切実な問題ではないかと思っています。

もう一つの報道は、体外受精によって二卵性双生子が、
一つの胎盤を共有して産まれたケースが国内で4組あったことが
判明したというものです。
双子は性別が異なり、血液には互いの性染色体が混在していたそうです。
懸念されることとしては、互いの血液が混じっているため、
血液型がはっきりしにくく輸血の際に混乱するのではということ、
将来、成長した際に不妊の原因になる可能性があるということ、
だそうです。
通常、胎盤を共有するのは一つの受精卵が分割した一卵性双生子の場合で、
性も同じになります。
今回のケースで血液中のリンパ球を調べたところ、
男女の性染色体が混在していたと言います。
皮膚の細胞の性染色体は正常で、
外見や発育などに特別な異常はないそうです。

高度な生殖補助医療によるリスクの一つが判明したということでしょう。
多胎妊娠の可能性が高まることと共に認識しておく必要があるのでは
ないでしょうか。

それでは今週の特集テーマ、タイミング法の前編です。
今回はボリュームがあって、
前編と後編に分けてお送りします。
尚、後編の配信は明日です。

このメールマガジンのテーマは、
毎号、冒頭に書いていますが、
セルフケアによる、
自然な方法によって、
本来、私たちに備わっている生殖能力を取り戻すことにチャレンジする、
です。

もちろん、目的は妊娠の成立、そして継続、出産です。
このプロセスがスムーズに進行するために、
私たちに何が出来るのでしょうか?
何をすべきなのでしょうか?

私たちにはコントロール不能な領域なので、
ただただ神様にお祈りするしかないのでしょうか。

答えは一言です。
ベストなタイミングで卵子と精子が出会えるようにすること、
それに尽きるのです。

実は、妊娠の成立はさほど難しいことではありません。
いや、誤解を招きかねませんね、
卵子と精子が出合い、受精が成立することは、
さほど確率の低いことではありません。
問題はその後、妊娠の成立、継続に至らないことです。

その原因は精子と卵子の出合うタイミングのミスマッチなのです。
以下にその理由と対策、いわゆるタイミング妊娠法についてお話します。

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         タイミング妊娠法の実際〈前編〉

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タイミング法、という言葉は、既に皆さんご存知のことと思います。
いろいろ悩んで、よし、不妊治療を受けよう、と決意して臨みます。
で、最初の治療は、ほとんどのところは"タイミング指導"になります。

考えてみると、
子作りにおいては、
この"タイミング"が全てなのです。
これは、なにも自然妊娠に限ったことではありません。
人工授精においてもしかり、
また、高度生殖補助と言われる体外受精や顕微受精においても、
"タイミング"命、なのです。

では、ここでいうところの"タイミング"とは、
なんのタイミングなのでしょう。
それは、「新鮮な卵子と活力に満ちた精子が受精する」
タイミングです。

★なぜ、"タイミング"なのか?

妊娠から出産へのプロセスの進み具合を数値にして調査したデータを見てみ
ると、なんとなんと、目から鱗、でした。

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低い人間の妊娠率
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私たち、人間の1回の生理周期あたりの妊娠率は、およそ20数%と言われ
ています。この数字を高いと見るか、低いと見るかは人それぞれでしょうが、
少なくとも他の動物と比べると大変低いのです。例えば、比較的人間に近い
とされているチンパンジーで70%です。ねずみにいたっては、ほぼ100
%近く妊娠すると言われています。

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84%も受精が成立
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ところが、妊娠のプロセスを詳しく見てみると、違った面が見えてきます。
イギリスのサザンプトン・ジェネラル病院のエドモンズ博士らの調査、また、
R・グレイ博士の報告等の規則正しい月経周期を繰り返していて排卵が確認
された既婚女性を対象にした妊娠継続状態の調査では、驚くべき結果が報告
されています。これらの報告から、規則正しく月経周期を繰り返している女
性が、1ヶ月間夫婦生活を続けたときの妊娠の推移は、

・受精した人            100人中、84人
・7日後に着床した人        100人中、67人
・予定月経が遅れた人        100人中、38人
・6週目に妊娠と診断された人    100人中、30人
・12週目までに妊娠が継続した人  100人中、27人

なんと、受精したものの、妊娠成立、継続出来なかった人が84人中、57
人ですから、68%にもなるのです。通常、6週目に妊娠と診断される迄は、
ブラックボックスです。その後、3人の流産は分かりますが、それ迄の54
人の"流産"は誰にも知られることなく、日の目を見ないで消える隠れた妊
娠と言えます。尚、この数字は、規則正しい月経周期を繰り返してる女性を
対象に調査された結果です。現実には、周期の不規則な方もいますから、実
際の数字はもう少し低い割合になると思われます。

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受精から妊娠へと継続しない原因は、セックスのミスタイミング
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なぜ、これほどまでに受精卵の寿命が短いのでしょうか。また、どのように
すれば日の目を見なかった受精卵が成長し、胎児へと成長して行けるように
なるのでしょうか。それは、卵子と精子がどのタイミングで出合うか、受精
の"タイミング"にあるようです。コロンビアのバーレ大学の研究者が、妊
娠女性965人について妊娠をもたらした性交日を調べ、性交日と流産率の
関係を発表しています(※1)。それによりますと、排卵日前3日から排卵
後1日までの5日間に性交して妊娠した女性では、流産率が低いものの、そ
れより早い時期や排卵後3日目に性交した女性では流産率が高くなっている
のです。排卵日3日前に性交による妊娠の流産率が高いのは、精子の老化が
進行していたためで、排卵後3日目の性交による妊娠の流産率の高さは卵子
の老化によるものだと考えられるわけです。

要するに、排卵日のかなり前に性交すると排卵日までに精子が老化し、活力
の落ちた精子が受精することになり、排卵後時間が経って性交すると、精子
は元気ですが、老化した卵子と受精することになるのです。老化精子や老化
卵子が受精してできた胚は正常な発育を継続することができないので、前述
のようにほとんどは日の目を見ないまま終わってしまうのです。かりに、妊
娠が継続したとしても結局は流産することになってしまいます。

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人間と動物との違い
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付け加えて的になりますが、人間と他の動物で妊娠率に大きな開きがあるの
はなぜなのでしょう。まずは、哺乳動物の雌は排卵期に発情し、このタイミ
ングだけ雄に性交を許すからです。また、ネコやウサギに至っては、交尾排
卵動物というらしいのですが、交尾したときだけ排卵するそうです。このよ
うに動物は元々、活力の高い精子と新鮮な卵子とが受精出来るようなメカニ
ズムになっているのです。ところが、悲しむべきか、喜ぶべきなのか、人間
は排卵とは無関係に時を選ばずに性交できる生き物なのです。また、自然排
卵動物と呼ぶそうなのですが、月経周期の中ごろに自動的に排卵します。で
すから、元々、人間は他の動物のように本能のまま、自然にまかせておいて、
バンバン妊娠出来るというようなメカニズムは持ち合わせていないようです。

★精子も卵子も"鮮度"が命

いよいよ本題です。人間の精子と卵子が理想的なタイミングで出合い、受精
が成立するためには、自然まかせではなかなか確率が低いことが分かりまし
た。いわゆるスウィートスポットは狭いようです。そうです、精子も卵子も
鮮度が大切なのです。まずは、精子と卵子の理想的な出合いのタイミングを
具体的に理解しておきましょう。

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精子は射精後48時間
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膣内に射精された精子が子宮頸管から子宮腔、さらに卵管内に侵入し、卵管
膨大部に達し卵子と遭遇し、受精の成立となります。わずか25分の1ミリ
程度の精子にとっては、まさに長旅です。精子は、射精直後から受精能力を
もっているわけではなく、エネルギーを温存させるために、幾つものストッ
パーが作動し、徐々にストッパーがはずれていき、射精後4〜5時間でエネ
ルギー全開で、まさに狂ったように運動するそうです。精子は1回の射精で
何億個と放たれるわけですが、全ての精子が1直線に卵管膨大部に辿り着け
るわけではないらしく、その内のわずか300個程度だそうで、また、子宮
頸管や卵管には精子の貯蔵所があって、そこで待機し、休憩しながら、タイ
ミングを待ったりする精子もあるようです。そんな峻烈な生き残りの競争を
くぐり抜ける必要のある精子ですから、受精能力は卵子よりも長く維持され、
射精後48時間と言われています。もちろん、48時間で全くゼロになるわ
けではなく、48時間を境に徐々に受精能力が低下していく、いわゆる活力
が落ちて行くのです。そして、84時間後には受精能力を失ってしまうそう
です。その後も活発に運動する精子もあるにはあるらしいのですが、もはや
受精能力を失っています。

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卵子は排卵後6時間
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卵巣で原始卵胞が成熟し、成熟卵胞となると排卵します。放出された卵子は
卵管内に取り込まれ、いくつもの関門をくぐり抜け、峻烈な生存競争に勝利
した1個の精子と遭遇し、受精が成立します。この受精卵が正常に分裂を繰
り返しながら卵管内を移動し、胚盤胞まで分化した後に子宮内膜に着床する
ためには、排卵後6時間の卵子と射精後48時間以内の精子が出合う必要が
あるのです。ただ、卵子の老化は進行が早く、排卵後2〜3時間以内の受精
が理想的ではあるようです。

いかがでしょうか?

ポイントは、「排卵したときに、そこに精子が待機している」こと、です。

★まずは排卵時刻を知ることが大切

タイミング妊娠法の実践でもっとも重要なノウハウは、"いつ"排卵するの
か、を家庭内で出来るだけ正確に把握することに尽きると言えます。もちろ
ん、現代の医療技術をもってすれば、かなり正確に排卵のタイミングを予測
することは可能です。超音波断層装置によって卵巣と育ちつつある卵胞の状
態を手にとるように観察出来るのです。経膣的超音波検査と言います。ただ
し、未だ、不妊治療を受けていない場合は、自力で予測しなければなりませ
んし、例え、不妊治療を受けていても、毎日超音波断層で卵胞の成長具合を
観察するというわけにもいかないのが現実です。

●基礎体温表から推測する
基礎体温表が基本です。卵巣で卵子が質の高い状態で排卵されるためには、
規則正しい月経周期が必要です。この月経周期が規則正しいかどうかを判断
することが出来るのは、基礎体温表からだけです。このように基礎体温表は
排卵日を予測するだけでなく、卵子に関するさまざまな情報を提供してくれ
ます。セルフケアにおいても、不妊治療においても、この基礎体温表をベー
スにすることは基本となります。ところが、先程の超音波検査やホルモン検
査によって状況の把握が可能になってくると基礎体温表を軽視する傾向がな
きにしもあらず、です。少なくとも、不妊改善に関して医者や薬に頼ること
なく二人の工夫と努力で妊娠を目指すという考えであれば、この基礎体温表
が、妊娠しやすいカラダづくりのための"ロードマップ"になるのです。

http://www.kao.co.jp/laurier/

上記のURLは、花王が運営する「女性のからだと健康のページ」です。こ
のURLはトップページへとびますので、その中の「基礎体温表」というと
ろをクリックすると、基礎体温の計り方、基礎体温表の見方、さらに基礎体
温表の無料でダウンロードすることも出来ます。説明内容と言い、基礎体温
表のフォームも使い勝手が良さそうなので利用されればと思います。

基礎体温表が低温相と高温相の2相性を示していれば、間違いなく質のよい
卵子が排卵されているということです。そして、低温期から高温期に以降す
るタイミングで一段と体温が下がる日があります(最低体温日)。この日の
前日から翌日、翌々日の4日間が排卵日であると予想されます。

まずは、地道に基礎体温表をつけることから始めましょう。やはり、付けた
り、付けなかったりだとか、1〜2ヶ月で止めてしまってはあまり意味があ
りません。毎日記録され、数カ月間に渡る基礎体温の推移がなによりの情報
となります。もしも、あなたが未だ不妊治療を受けてなくて、近い将来、不
妊治療を受けることになったとしたら、それまでの基礎体温表を医師に見て
もらうことで、的確なアドバイスや治療を受けることが出来、とても効率的
な通院が可能になることも付け加えておきます。

さて、そんな基礎体温表ですが、万能ではありません。特に、なかなか子供
を授からないという悩みを持ってらっしゃる方は、往々にして基礎体温表か
ら排卵日を特定するのが難しいというケースも少なくありません。

以下に、子宮頸管粘液法、排卵日検査薬による方法をご紹介します。そして、
タイミング妊娠法の妊娠率をより高める方法と続きますが、大変長くなりま
すので、これ以降は後編にて。

尚、「タイミング妊娠法の実際〈後編〉」は、明日、1月19日(月)に配
信する予定です。しばらくお待ち下さい。

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【本文注釈】
※1 The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 1975 R.GUERRERO &O.I.ROJAS

【参考文献】
「タイミング妊娠法」市川茂孝著 
「生殖革命」石原 理著
「Natural Solutions to Infertility」MARILYN GLENVILLE,PH.D.著
「GETTING PREGNANT Naturally」Winifred Conkling著

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妊娠しやすいカラダづくりVOL.011にアンケートが掲載されています。
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ご利用を通してフォローさせて頂きます。

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■編集後記 
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寒いです。
この冬一番ですね。
私事で恐縮ですが、昨年末から、
運動不足、睡眠不足が慢性化しておりまして、
体調を崩しております。
おはずかしい限りです。
今週からこの状態を立て直す決意をいたしました。

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妊娠しやすいカラダづくり LCN [Life Care News] No.023
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【発行】 株式会社ライフケアマネージメント
【編集】 細川忠宏
【監修】   荻田浩司(内科医・医学博士)
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