ドクターにインタビュー

vol.17

【3】 1つ1つの食品や生活習慣ではなく、全体としてバランスが大切

ジョージ・チャヴァロ 先生(ハーバード公衆衛生大学院准教授)

ジョージ・チャヴァロ

【3】 1つ1つの食品や生活習慣ではなく、全体としてバランスが大切

細川)
今回の研究報告におけるキーとなるメッセージをお聞かせください。
Dr.)
日常の食生活や運動は妊娠しやすさに大きく影響するということです。
細川)
それは、特に、どのような不妊原因に効果的なのでしょうか?
Dr.)
排卵障害です。無排卵、もしくは、排卵しづらいとか、妊娠できる力のある卵が育たないというケースです。
細川)
食生活やライフスタイルの改善効果の限界もありますね。
Dr.)
もちろん、不妊の原因は排卵障害だけではありませんから、食生活や生活習慣の改善だけでは、どうしよもないケースもあるでしょう。例えば、卵管が閉塞しているというような場合です。過去の感染症などによるものが多いのですが、そんなケースでは、いくら食生活や生活習慣を改善しても、卵管が通るようにはなりませんね。
細川)
はい。
Dr.)
ただ、例えば、子宮内膜症などは食生活の影響は少なくありません。また、不妊の直接的な原因はさまざまですが、どのようなケースでも、質のよい卵子を排卵することは大切な条件なわけですから、食生活や生活習慣を改善することは、全ての不妊に、直接的、間接的に影響を及ぼすというふうに考えられるのではないでしょうか?
細川)
よくわかります。具体的な改善方法は本書をご覧いただくとして、それを有効に活用するために知っておいて欲しいこと、知っておくべきことがあれば。
Dr.)
私たちが、この研究を通じて、真に学んだことは、結局、1つ1つの食品や生活習慣ではなく、全体としてバランスがとれていることが大切だということです。何かに偏るのはよくありません。
細川)
1つ1つの食品や生活習慣ではなく、全体としてバランスがとれていることが大切だと。
Dr.)
そうです。また、正しい食生活は、妊娠の可能性が高くなるだけでなく、女性として、生涯を通した健康に寄与してくれるということです。
細川)
よくわかりました。

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