ドクターにインタビュー

vol.12

妊娠前からの食生活が子どもの一生の体質をつくる

福岡 秀興 先生(早稲田大学総合研究機構研究院教授)

福岡 秀興

ドクターに訊く、今回のテーマは、妊娠前からの栄養や食生活が子どもの心身の健康に及ぼす影響についてです。

妊娠前と妊娠中の母親の栄養状態が、赤ちゃんの胎内の発育状態だけでなく、生まれてからの心身の健康、さらには、成人後の体質まで決めることをご存知でしょうか?

ダイエットなどで栄養不足のまま妊娠したり、食生活の乱れなどで妊娠中に十分な栄養を摂っていなかったりすると、胎児の胎内での発育に影響を及ぼすだけでなく、遺伝子の働きを調節するメカニズムが変化して、子が生活習慣病にかかりやすくなる体質になることが、これまでの研究でわかってきました。

これを「成人病(生活習慣病)胎児期発症起源説」といいます。

つまり、母親となる女性の食生活が子どもの一生の体質を決めてしまうのです。

これから妊娠・出産を目指す女性にとっては、まさにいま食生活に気をつけることで、それを防ぐことができます。

健康な赤ちゃんを妊娠、出産するために、ぜひ知っておいて欲しいこと、いや、知っておくべきことを皆さんに伝えたいと強く思い、産婦人科医であり、この分野の第一人者でいらっしゃる、早稲田大学総合研究機構研究院教授の福岡秀興先生にお話を伺いました。

vol.12 インデックス

★福岡 秀興先生 プロフィール

早稲田大学総合研究機構研究院教授。

東京大学医学部卒。東京大学助手(医学部産婦人科学教室)、香川医科大学助手、講師、米国ワシントン大学医学部薬理学教室 Research AssociateRockefeller 財団生殖生理学特別研究生、東京大学大学院助教授を経て、平成19年より早稲田大学胎生期エピジェネティック制御研究所客員教授。平成23年より現職。

厚生労働省第6次、第7次「栄養所要量」、「妊婦のための食生活指針」策定委員等。産婦人科生殖内分泌学の視点から、妊娠中や思春期の食の問題に取り組む。日本の成人病胎児発症説研究の第一人者。

『胎内で成人病は始まっている』(デイヴィッド・バーカー著)を監修・解説。日本DOHaD 研究会代表幹事。

ドクターに訊く

ドクターにインタビュー