ドクターにインタビュー

vol.01

【2】 何をどのように取り組めばいいのか?

不妊予防協会理事長 久保春海 先生
東邦大学医学部名誉教授 渋谷橋レディスクリニック院長

久保春海

【2】 何をどのように取り組めばいいのか?

細川)
それでは、現在、なかなか授からないご夫婦にとっての不妊予防、
すなわち、不妊症の重症化の予防のために、
どんなところに気をつければいいのでしょうか?
Dr.)
不妊予防協会では、女性用、男性用、 それぞれのチェックリスト※を作成しています。 不妊のリスク要因になり得るものを挙げています。 もしも、未だ治療を受けていらっしゃらない方で、1つでもあてはまるものがあれば、 早めに検査を受けることをお勧めします。 また、不妊予防協会で無料相談を受け付けてもいます。

※女性用チェックリスト
http://www.jrha.org/check-female.html

※男性用チェックリスト
http://www.jrha.org/check-male.html

細川)
影響の大きいのはどのようなものでしょうか?
Dr.)
まずは、タバコですね。 お子さんを望まれるカップルでタバコを吸われる方は、女性はもちろんのこと、男性も禁煙すべきです。
細川)
現在、不妊治療を受けている方でも今から禁煙しても遅くはないのでしょうか?
Dr.)
遅いなんていうことはありません。 たとえば、体外受精の治療成績をみてみると、タバコを吸わないカップルは、 タバコを吸うカップルよりも妊娠率が明らかにいいわけです。 ですから、タバコを止めれば妊娠率がよくなるということが言えますね。
細川)
これは希望の持てるお話しです。
Dr.)
また、タバコを吸う男性は、 精子のDNAの断片化率※が高いとの報告もあります。

※DNAが損傷を受けた精子の割合のこと。 男性不妊の男性ではDNAの断片化率が高いと言われており、断片化率が高いと受精能力は低下します。

細川)
遺伝情報が損傷を受けるおそれがあるということですね。 ところで、精子のDNAの損傷度は、 精液検査では分からないものなのでしょうか?
Dr.)
精液検査は精子濃度や運動率、奇形率など、すなわち、精子の数や運動能力、形態などは分かりますが、 DNAの損傷度は分かりません。 DNAの断片化検査を受ける必要があります。
細川)
ということは、たとえ、精液検査で問題がなくても、安心出来ないと言えなくもないわけですね。
Dr.)
そういうことです。お子さんを望まれる男性も禁煙すべきです。
細川)
女性も、男性も、タバコを吸われるのであれば、禁煙すべしということですね。
Dr.)
また、若い女性の"やせ"願望は、将来の不妊を招きやすくなります。 これは、特に日本は諸外国と比べても顕著です。
細川)
そうなのですか。
Dr.)
最も病気になりにくく、そして、 妊娠の確率が高いBMI※は22とされていますが、 10代、20代で、BMIが18.5以下の女性は30%もいるのです。 痩せすぎも太り過ぎも不妊のリスクになります。 また、社会生活におけるストレスの問題もあります。

※Body Mass Indexの頭文字で、肥満度を表す体格指数のこと。
体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出します。
http://www.akanbou.com/ninshin/ninyousei.taijyuu.html

細川)
目に見えない不妊のリスク要因ですね。
Dr.)
原因不明不妊で、不妊治療を繰り返しても妊娠に至らなかったのに、 治療を休んだり、止めたりした途端、妊娠にしたり、 お一人目のお子さんは体外受精で授かったのにもかかわらず、 二人目のお子さんは自然妊娠したりというケースが決して少なくないのは、 それまでのストレスから解放されたからでしょう。
細川)
本当によく聞きます。
Dr.)
たとえ、ストレスで卵巣機能が低下し、月経が止まってしまうというところまでならなくても、 ストレスは免疫バランスにマイナスの影響を及ぼしたり、末端の血流を悪くしたりします。
細川)
妊娠の障害になり得るということですね。
Dr.)
こういうケースでは、からだ全体のバランスを整えることが大切です。
細川)
具体的にはどのような対策を講じればよいのでしょうか?
Dr.)
適度に身体を動かすこと、運動習慣をもつことは大切なことですね。 また、レーザー治療で血行障害が改善されるとの報告があります。 リフレクソロジーのような代替医療なども試してみる価値がありそうですね。 そして、それらに加えて、サプリメントを摂るのもよいでしょう。
細川)
自分にあったものをみつけることが大切ですね。
Dr.)
そうですね。

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