曇り時々雨、のち晴れますように

小倉 智子

居場所

2017年04月29日

みなさま、
こんにちは。

4月ももう終わりですねびっくり
春らしくなり、日差しも強くなってきましたね。

さて、私は新聞や雑誌にある悩み相談の
コラムをよく読むのですが、
いろいろと参考になります。

相談を受ける方は著名な方なので、
そのお返事の仕方がとても
興味深いですし、
勉強になります。

ただ、この類の相談の受け方は相談を専門としていないので、
その表現方法は
時に相手に伝わらないだろうな~
と思いながらも、
相談の答えそのものは
だいたいとても納得のいくものです。

で、今回目にとまった相談内容が
居場所について。

職場にとても有能だが挨拶しない若い女性がいるので、
自分は気になる50代所の女性。
何か悩んでいるのではないかと思い、
「最近困っていることない?」とか
「何かあったら遠慮なく相談してね」
とか、声をかけるも
「何もありません」という返事。
職場で挨拶もできないこの女性をかわいそうな人、として
みていくしかないのでしょうか?

という相談者。

これに対し、

「あなたは職場を自分の居場所にしていませんか?
会社とはそもそも利益を追求するところで
有能ならそれでいいではないですか?
でも、もし会社を自分の居場所であり、
会社は居心地のいい場所にしたい、
という思いがあるのなら、
それはあなたの勝手な思いになります。
その人が挨拶しないことで職場の雰囲気が悪くなり、
同僚の士気がさがり、会社の経営に悪影響が
あるのならそう伝えればいいのです。」

というお返事がありました。

まあ、お返事の仕方にはちょっと
思うところはありますが、それは置いておいて・・・

この居場所。

妊活中、あるいは治療中の方、にも
かなり大事なキーワードになります。

やはり人間はどこかに所属したいものです。
そこに安心もあるし、
そこにある信頼関係は
心を満たしてくれます。

でも、妊活中で、なかなか子供が授からない。
周りはみんな育児中、
となると、自分の居場所がないように感じてしまいがちです。

あるいは上記の相談のように、
これまで自分の居場所だったところに
(職場にしても趣味の場でも友人関係でも)
妊娠中の方、お子さんのいる方が
入ってくると、
とても居心地が悪くなり、
誰が悪いわけではないけれど、
自分の居場所がなくなったように感じ、
孤独感やさみしさ、
人によっては
自己嫌悪を覚えます。

居場所は主観的なものなので、
自分自身が居心地がよくないとできません。
かといって、
この居場所は所属感でもあるので
必ず他者の存在があって、
その他者による影響も強いですよね。

でも居場所は必要。
なので、
もし、今自分の居場所がない、
あるいはあったけど、
妊婦さん、お子さん連れがいて、いたくない、
と思うことがあるのなら、
ちょっととらえ方を変えて、
ここは会社なので、利益追求を目的にすればいいんだ、
とか、
ここはヨガを極める場所なんだ、
とか、
友人とは長い付き合いがあってこその関係だ、
など、
居場所の「意義」を
見直すと、
その居場所を手放す必要はなくなるかもしれません。

また、居場所は一つである必要なく、
たくさんあればあるほど、
心強いですよね。
ここだ!
という居場所はなくても、
そこそこの、居場所をいくつか
持っておくと、
その時の気持ちによって
居場所を変えることもできて
いいかもしれません。

あるいは、
居場所、
にこだわらないこともできると思います。
どこかに所属していたい、
とは思うけど、
シンプルになぜ?
一人だと、
本当にさみしい?
確かに仕事で忙しい夫との会話は
多くないかもしれないけど、
少なくとも夫はいる。

居場所、はまさに
今いる場所、として、
所属感、は保留にする。
今は家と病院だけの
生活だとしたら
家を心地よくしてもいいかもしれません。
自分の家を
まさによい居場所にする、
のはいいことです。

不妊治療をしていると、
本当に疲れ切ってしまって、
家の片づけや
掃除まで行き届かず
あまり素敵な場所になっていないことも多いのですが、
妊活中は外の居場所を作らず、
中の居場所を見直す機会にしてもいいかもしれません。

居場所、
は心理的に
大事なので、
話があちこちいきましたが、
またとりあげてみたいテーマです