「避妊をやめれば、すぐに、授かるものだと思っていたのに・・・」
「不妊治療を受ければ、すぐに、妊娠できるものだと思っていた・・・」
本当に、よく聞く言葉です。
不妊に悩む、当人でさえ、そうなんですね。
ましてや、不妊経験のない人が多数派を占める世間の人々には、
望んでも授からないということがどういうことなのか、
また、不妊治療の宿命的に厳しい現実は、理解されようがないと思います。
不妊を経験するということは、
他人には、普通に叶えられる望みが、
自分には、努力してもなかなか叶えられないことに悩み、苦しむだけでなく、
周囲の無理解に戸惑い、傷つき、
そして、その結果、孤独感にさいなまれることでもあると、
つくづく、思うわけであります。
もしかしたら、後者の悩みのほうが大きいという方も、
少なくないかもしれません。
最新の調査研究が、そのことを報告しています。
ヨーロッパ生殖医学会の専門誌に発表された、
イギリスの大学の臨床心理学者と産婦人科医による共同研究です。
不妊クリニックに通院を始めた男性64名、女性87名に、
自分が不妊であることをどのように感じているのか、
また、不妊であることを、周りの人たちに打ち明けているのか、
さらには、周囲の人々のサポートをどのように感じているのかについて、
アンケートを実施しています。
それによりますと、
女性は、男性よりも、不妊であることの悩みは大きく、
また、不妊であることを周囲の誰かに打ち明けているのは女性のほうで、
男性は、悩みが大きい人ほど、周囲にはだまっているというのです。
また、女性、男性ともに、
不妊であることの悩みが大きい人ほど、
自分がより惨めに感じ、否定的にとらえてしまうことから、
周囲の人たちのサポートが得られていないとも報告しています。
そして、そのことから、周囲の人たちに不妊であることを話すことは、
女性にとっては、かえって、苦しみを大きくすることがあるとしています。
これらのアンケート結果は、
女性は、男性よりも、現実と悪戦苦闘しなければならないことを、
明確に、物語っています。
そして、それは、洋の東西を問わない、いわば、宿命的なことのようです。
実際に、いざ、通院を始めるということは、
専門家のアドバイスとは裏腹に、
女性が、一人で、意を決して、行動を起こすということであり、
不妊の原因が男女のどちらにあろうとも、
検査や治療の大半は女性側に施されるのが現実でしょう。
必然的に、女性のほうに、精神的、時間的な負担がかかるわけですから、
女性は、好むと好まざるとにかかわらず、
周囲の人たちに、不妊であることを話さざるを得ないことが多いはずです。
それに比べて、男性は、まだ、黙っていられるのかもしれません。
そして、周囲の人たちに不妊であることを告白することは、
周囲の無知や無理解、誤解、そして、安易な励ましに、
かえって、辛い思いをさせられることになりかねないのでしょう。
今回、不妊治療と仕事の両立について特集していますが、
治療と仕事の両立とは、
ある意味、女性が、現実と悪戦苦闘するということです。
研究チームは、そんな宿命と闘ううえで大切なこととして、
“ご主人とのパートナーシップ”、
そして、“悩みを同じくする女性との連帯”を挙げています。
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