世界で最も体外受精が盛んな国であるイスラエルから、
長い不妊期間を経験し、
体外受精で子どもを授かった女性の出産前の心理状態を、
自然妊娠で授かった女性のそれと比べた研究が報告されています。
体外受精で授かった女性30人と自然妊娠で授かった女性30人に、
出産前に、インタビューとアンケートを実施し、
自分のこと、生まれくる子どものこと、そして、パートナーのことについて、
どのような気持ちを抱いているのかを聞いています。
その結果はとても興味深いものです。
自然妊娠した女性に比べ、
体外受精で妊娠した女性の方が、
自分自身のことや生まれくる子どものこと、
そして、パートナーのことについて、
不安や心配なこともあるものの、
より前向きで、肯定的な気持ちを抱いているというのです。
さらに、同じ体外受精で授かった女性のあいだででも、
妊娠するまでに多くの治療周期を要した女性の方が、
よりそんな気持ちが強かったというのです。
考えてみれば、
自分やパートナー、
そして、未だ見ぬ我が子のことを、
理屈抜きに信じられるということはとても幸せなことで、
未だ見ぬ子どもにとっては、
最高の環境が用意されていると言っても過言ではありません。
不妊を経験すること、
そして、不妊治療を経験することは、
ただ単に“辛いだけの経験”で終わるわけではないということを、
この研究報告は教えてくれているように思います。
まだはっきりと自覚されていない副作用があるに違いありません。
望んでもなかなか授からない、
そして、不妊治療に助けを求めるということは、
辛い思いをせざるを得ないものなのですが、
何を経験することで、何を得るものなのでしょうか?
自然妊娠では、ある日、突然、授かったことを知るわけですが、
長い不妊期間を経験するということは、
授かるまでに、授かることの難しさをいやというほど感じることであり、
体外受精を受けるということは、
そのプロセスごとに“生と死”を経験するといっても過言ではなく、
世間で、どんな言葉で形容されていようとも、
それは、我が子の命を見つめ続けることに他なりません。
私たちは“生命の誕生の神秘さや偉大さ”について、
言葉では、簡単に、口にすることが出来ますが、
そのことを、我が身をもって、実感することがあるでしょうか。
我が子の健康を祈るのは、
どこの親でも同じなのでしょうが、
精子や卵子、そして、受精卵の元気を、
どれだけの親が、繰り返し、祈り、感謝したことがあるでしょうか。
不妊期間や体外受精のプロセスは、
人間にとって最も大切な、
“命”の本質に触れ、そして、感じることであるならば、
現在進行形では、
精神的にも、肉体的にも、
そして、もしかしたら経済的にも、
ただ辛いだけの経験にしか思えないのかもしれませんが、
その副作用は、とてつもなく大きいものであることは間違いありません。
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