全国の体外受精等の高度な生殖医療を実施する病院やクリニックに対して、
不妊治療のための設備や体制、体外受精の妊娠率について、
厚生労働省研究班が、聴き取り調査した結果が、このほど発表されました。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060810-00000014-mai-soci
それによりますと、
日本産科婦人科学会が高度生殖補助医療の治療施設として、
満たすのが望ましいとされる基準を満たしているのは17.3%、
1回の体外受精の妊娠率は平均26%で、
施設によっては、0〜75%まで差があったとのことが判明したとのこと。
学会の施設基準というのは、
採卵室や培養室の清浄度や温度管理の条件、
さらには、施設のスタッフとして必要な要員等です。 http://www.jsog.or.jp/kaiin/html/Rinri/announce_8jul05.pdf
この調査結果は、
日本の不妊治療の病院やクリニックについて、
その設備や体制、そして、治療成績のレベルには、
大変なバラツキがあることを物語っています。
このような状況にあっては、
不妊治療を受ける側の患者にとっては、
病院選びには、当然、慎重にならざるを得ませんね。
そもそも、日本では、不妊治療病院やクリニックの数が多く、
例えば、2003年度に、高度生殖補助医療によって生まれた出生児の数は、
アメリカは、日本の倍以上ですが、
登録施設の数は、アメリカの437に対して、日本は、590です。
大変な差ですね。
これは、国の姿勢の“差”でもあるのです。
アメリカでは高度生殖補助医療を実施するクリニックについては、
その監査や臨床成績の報告が、国の法律で実施され、
関連学会は、国の委託を受けて、クリニックの設備を監査しています。
そして、高度生殖医療の治療成績については全国統計だけでなく、
全ての登録施設の個別の治療成績が公表されています。
これに対して、日本では、学会への登録はフリーパスで、
その後も野放し状態です。
このことは何を意味するのでしょうか。
それは、病院を選ぶ側が、自身の知恵と感性でもって、
自己責任のもとで、病院を選ばざるを得ないということです。
今回の調査を実施した厚生労働省研究班の班長の慶応大学の教授は、
調査結果について、以下のようにコメントしています。
「妊娠率のばらつきは治療技術の差ではなく、
治療を受ける男女の状態の違いが原因だと考えている。
妊娠率が極端に高い施設は、
必要のない人に体外受精をしている可能性もある」と。
確かに、妊娠率を左右する要因は、
母親になる女性の年齢を始めとする患者側の身体の状態であって、
本質的には、治療技術の差ではないのかも知れません。
ところが、私たちのところに寄せられる多くのご相談内容から窺えるのは、
個々の患者の身体の状態や希望に相応しい治療内容を判断する力、
さらには、実際に、提供可能な治療技術のバリエーションは、
それぞれのクリニックや医師によって、驚くほどの差があるということです。
体外受精へステップアップする基準もクリニックによって、
大きなバラツキがあるということについては、コメント通りです。
クリニックや医師との出会いは、
ある程度は“運”に左右されるにしても、
自らの知識と知恵、そして、感性と嗅覚を総動員して、
判断し、選択する必要がありそうです。
大切なのは、サバイバル感覚ではないでしょうか?
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