不妊
 
 
 
 
何をもって治療の成功とするのか?
2004/10/23
 

アメリカ生殖医学会の年次総会が、
10月16日から20日までフィラデルフィアで開催されています。
学術集会では、日頃の研究成果が発表され、
その内で話題性の高い発表が、日本のマスコミでも報道されています。

体外受精時に移植する胚の数についてのガイドラインや
アメリカ生殖協会がIVFで生まれた子供の追跡調査を開始したことなどは、
不妊治療の質の重視、
そして、患者の側に立った情報を調査し、
開示するという姿勢が、 うかがえるものではないかと思います。

このように、こと、不妊治療に関しては、
患者の側に立った情報開示や支援体制は、
日本よりもアメリカの方が、相当、進んでいるように思います。

いまや、不妊治療も質を重視するレベルになっています。

ただ、単に、妊娠率を上げる、
要するに、妊娠しさえすればよい、ということではなく、
治療に伴う精神的、肉体的な負担やリスクを出来る限り回避して、
治療を成功に導くということです。

そして、そのために必要なことは、
なにをもって治療の成功とするのかということを、
明確にすることであり、
治療の成功を実現するために、
実際に各クリニックがどの程度の成功率を治めているのかを、
透明にするということでもあります。

情報開示と支援体制の整備ということになります。

なかなか妊娠できない期間が長くなってくると、
“妊娠”を切望する余り、
実は、もっとも大切なこと、
なにをもって、治療の“成功”とするかということを、
ついつい、見過ごしてしまいがちです。

心ないクリニックが、“見せかけ”の妊娠率で患者の気を引こうとするのも、
そんな、患者心理を見越してのことです。

妊娠しさえすれば、あとは流産してもよいのか、
妊娠しさえすれば、子宮外妊娠でもよいのか、
妊娠しさえすれば、双子や三つ子でもよいのか、
妊娠しさえすれば、自分や子供のカラダはどうなってもよいのか、
こういう具合に尋ねると誰だって、
自分達が、本当に望んでいるものはなんなのか、
直ぐに分かります。

さらには、無事に生まれてからも、
不妊治療で生まれた子供って、
自然妊娠で生まれた子供に比べて、
どこか、劣るところがあるんじゃないか、という心配もつきものです。

ところが、実際にはどうでしょう。

私たちは、日頃から、
不妊に悩むカップルが強いストレスを感じる原因は、
なかなか妊娠しないことだけではないように思っています。

治療の見通しがあまりにも不透明なこと、
自主的な判断をするには客観情報があまりにも、
少な過ぎることからくるストレスも相当なもののように思う訳です。

生命の神秘と言って、
諦めなければならないことばかりでは、
決してないようです。

 
     
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