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タイミング妊娠法 まじめにセックスを考える 一発必中よりも“回数”
 
なかなか妊娠しないという場合、 2通りあります。
一つは、自然妊娠が可能なんだけれども、
なんらかの理由があって、 たまたま、それまで妊娠しなかっただけというケース。
もう一つは、 妊娠を妨げる明確な原因があって、 自然妊娠は不可能なケースです。
前者であれば、 女性の年齢にもよりますが、
まずは、半年から1年間は二人で生活面を見直しながら、タイミング妊娠法を実践してみましょう。

タイミング法、という言葉は、既に皆さんご存知のことと思います。
もしも、不妊治療を受けるようになった場合でも、
最初の治療はと言いますと、一般的には、“タイミング指導”になります。
医師からセックスのタイミングを指導されるのです。

考えてみると、 子作りにおいては、 この“タイミング”が全てなのです。
これは、なにも自然妊娠に限ったことではありません。
人工授精においてもしかり、
また、高度生殖補助と言われる体外受精や顕微受精においても、 “タイミング”命、なのです。
では、ここでいうところの“タイミング”とは、 なんのタイミングなのでしょう。
それは、「新鮮な卵子と活力に満ちた精子が受精する」 タイミングです。
■なぜ、“タイミング”なのか?
妊娠から出産へのプロセスの進み具合を数値にして調査したデータを 見てみると、
なんとなんと、目から鱗、です。
●低い人間の妊娠率
私たち、人間の1回の生理周期あたりの妊娠率は、 およそ20数%と言われています。
この数字を高いと見るか、低いと見るかは人それぞれでしょうが、
少なくとも他の動物と比べると大変低いのです。
例えば、比較的人間に近いとされているチンパンジーで70%です。
ねずみにいたっては、ほぼ100%近く妊娠すると言われています。

●84%も受精が成立!?

ところが、妊娠のプロセスを詳しく見てみると、違った面が見えてきます。
イギリスのサザンプトン・ジェネラル病院のエドモンズ博士らの調査やR・グレイ博士の報告等、
規則正しい月経周期で排卵が確認された既婚女性を対象にした妊娠継続状態の調査では、
驚くべき結果が報告されています。
これらの報告から、規則正しく月経周期を繰り返している女性が、
1ヶ月間夫婦生活を続けたときの妊娠の推移は、
・受精した人 100人中 84人
・7日後に着床した人 100人中 67人
・予定月経が遅れた人 100人中 38人
・6週目に妊娠と診断された人 100人中 30人
・12週目まで妊娠が継続した人 100人中 27人
 
なんと、受精したものの、妊娠成立、継続出来なかった人が、
84人中、57人ですから、68%にもなるのです。
通常、6週目に妊娠と診断される迄は、ブラックボックスです。
その後、3人の流産は分かりますが、
それ迄の54人の“流産”は誰にも知られることなく、
日の目を見ないで消える隠れた妊娠と言えます。
尚、この数字は、規則正しい月経周期を繰り返してる女性を対象に 調査された結果です。
現実には、周期の不規則な方もいますから、 実際の数字はもう少し低い割合になると思われます。
●受精から妊娠へと継続しない原因は、セックスのミスタイミング
なぜ、これほどまでに受精卵の寿命が短いのでしょうか。
また、どのようにすれば日の目を見なかった受精卵が成長し、
胎児へと成長して行けるようになるのでしょうか。
それは、受精卵の質によります。
受精卵の質を大きく左右するのは、卵子と精子がどのタイミングで出合うか、
要するに、受精の“タイミング”にあるようなのです。
コロンビアのバーレ大学の研究者が、
妊娠女性965人について妊娠をもたらした性交日を調べ、
性交日と流産率の関係を発表しています(※1)。
それによりますと、
排卵日前3日から排卵後1日までの5日間に性交して妊娠した女性では流産率が低いものの、
それより早い時期や排卵後3日目に性交した女性では 流産率が高くなっているのです。
排卵日3日前に性交による妊娠の流産率が高いのは、精子の老化が進行していたためで、
排卵後3日目の性交による妊娠の流産率の高さは、卵子の老化によるものだと考えられるわけです。
要するに、排卵日のかなり前に性交すると、
排卵日までに精子が老化し、 活力の落ちた精子が受精することになり、
排卵後時間が経って性交すると、
精子は元気ですが、老化した卵子と受精することになるのです。
※1 The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 1975 R.GUERRERO &O.I.ROJAS
●動物の妊娠率が高いのは?
ところで、 人間と他の動物で妊娠率に大きな開きがあるのはなぜなのでしょう。
哺乳動物の雌は排卵期に発情し、 このタイミングだけ雄に性交を許すからです。
また、ネコやウサギに至っては、交尾排卵動物というらしいのですが、
交尾したときだけ排卵するそうです。
このように動物は元々、活力の高い精子と新鮮な卵子とが受精出来るような、
そんな メカニズムになっているのです。
ところが、悲しむべきか、喜ぶべきなのか、
人間は排卵とは無関係に時を選ばずに性交できる生き物なのです。
また、自然排卵動物と呼ぶそうなのですが、月経周期の中ごろに自動的に排卵します。
ですから、元々、人間は他の動物のように本能のまま、自然にまかせておいて、
バンバン妊娠出来るというようなメカニズムは 持ち合わせていないようです。
■精子も卵子も“鮮度”が命
いよいよ本題です。
人間の精子と卵子が理想的なタイミングで出合い、受精が成立するためには、
自然まかせではなかなか確率が低いことが分かりました。
いわゆるスウィートスポットは狭いようです。
そうです、精子も卵子も鮮度が大切なのです。
まずは、精子と卵子の理想的な出合いのタイミングを具体的に理解しておきましょう。
●精子は射精後48時間
膣内に射精された精子が子宮頸管から子宮腔、 さらに卵管内に侵入し、
卵管膨大部に達し卵子と遭遇し、受精の成立となります。
わずか25分の1ミリ程度の精子にとっては、まさに長旅です。
精子は、射精直後から受精能力をもっているわけではなく、
エネルギーを温存させるために、幾つものストッパーが作動し、徐々にストッパーがはずれていき、
射精後4〜5時間でエネルギー全開で、まさに狂ったように運動するそうです。
精子は1回の射精で何億個と放たれるわけですが、
全ての精子が1直線に卵管膨大部に辿り着けるわけではないらしく、
その内のわずか300個程度だそうで、
また、子宮頸管や卵管には精子の貯蔵所があって、
そこで待機し、休憩しながら、 タイミングを待ったりする精子もあるようです。
そんな峻烈な生き残りの競争をくぐり抜ける必要のある精子ですから、
受精能力は卵子よりも長く維持され、射精後48時間と言われています。
もちろん、48時間で全くゼロになるわけではなく、 48時間を境に徐々に受精能力が低下していく、
いわゆる活力が落ちて行くのです。
そして、84時間後には受精能力を失ってしまうそうです。
その後も活発に運動する精子もあるにはあるらしいのですが、もはや受精能力を失っています。
●卵子は排卵後6時間
卵巣で原始卵胞が成熟し、成熟卵胞となると排卵します。
放出された卵子は卵管内に取り込まれ、いくつもの関門をくぐり抜け、
峻烈な生存競争に勝利した1個の精子と遭遇し、受精が成立します。
この受精卵が正常に分裂を繰り返しながら卵管内を移動し、
胚盤胞まで分化した後に子宮内膜に着床するためには、
排卵後6時間の卵子と射精後48時間以内の精子が出合う必要があるのです。
ただ、卵子の老化は進行が早く、排卵後2〜3時間以内の受精が理想的ではあるようです。
いかがでしょうか?
ポイントは、「排卵したときに、そこに精子が待機している」こと、です。
ポイントは、「排卵したときに、そこに精子が待機している」こと。
最も妊娠しやすいセックスのタイミングは、
排卵日の2日前、排卵日前日、排卵日当日の順である。
■まずは、排卵日を知ることから
それでは、いよいよ実践編です。
タイミング妊娠法の実践でもっとも重要なノウハウは、
“いつ”排卵するのか、 を家庭内で出来るだけ正確に把握することに尽きると言えます。
もちろん、現代の医療技術をもってすれば、
かなり正確に排卵のタイミングを予測することは可能です。
超音波断層装置によって卵巣と育ちつつある卵胞の状態を手にとるように観察出来るからです。
経膣的超音波検査と言います。
ただし、未だ、不妊治療を受けていない場合は、自力で予測しなければなりませんし、
例え、不妊治療を受けていても、
毎日超音波断層で卵胞の成長具合を観察するというわけにもいかないのが 現実です。
【排卵のタイミングを予測する方法その1】基礎体温表から推測する

基礎体温表とは、毎朝目が覚めたら起き上がる前にベッド上で、
婦人体温計を用いて測定し、グラフに表したもののことです。

卵巣で卵子が質の高い状態で排卵されるためには、規則正しい月経周期が必要です。
この月経周期が規則正しいかどうかを判断することが出来るのは、基礎体温表からだけです。
このように基礎体温表は排卵日を予測するだけでなく、
卵子に関するさまざまな情報を提供してくれます。
※基礎体温表のパターン例 こちらから 》》
セルフケアにおいても、不妊治療においても、
この基礎体温表をベースにすることは基本となります。
ところが、先程の超音波検査やホルモン検査によって状況の把握が可能になってくると、
基礎体温表を軽視する傾向がなきにしもあらず、です。
少なくとも、不妊改善に関して医者や薬に頼ることなく、
二人の工夫と努力で妊娠を目指すという考えであれば、
この基礎体温表が、妊娠しやすいカラダづくりのための“ロードマップ”になるのです。
さて、基礎体温表から排卵日を予測する方法ですが、
そして、低温期から高温期に移行するタイミングで、一段と体温が下がる日があります(最低体温日)が、
この最低体温日の前日もしくは当日、さらに翌日、翌々日の4日間のいずれかが、
排卵日であると予測されます。
以前は、最低体温日が排卵日であると考えられていましたが、
現在では、最低体温日の翌日が最も高い確率で、次いで、翌々日、当日、前日という順です。
これは、黄体ホルモン(プロゲステロン)に対する反応に個人差があるため、
排卵と体温の上昇のタイミングが一様ではないからです。
基礎体温表は、付けたり、付けなかったりだとか、
1〜2ヶ月で止めてしまってはあまり意味がありません。
毎日記録され、数カ月間に渡る基礎体温の推移がなによりの情報となります。
もしも、未だ不妊治療を受けてなくて、 近い将来、不妊治療を受けることになったとしたら、
それまでの基礎体温表を医師に見てもらうことで、
的確なアドバイスや治療を受けることが出来、とても効率的な通院が可能になるでしょう。
さて、そんな基礎体温表ですが、万能ではありません。
特に、なかなか子供を授からないという悩みを持ってらっしゃる方は、
往々にして基礎体温表から排卵日を特定するのが難しいというケースも 少なくありません。
基礎体温表は、グラフの推移から排卵日を予測するとは言うものの、
厳密に言えば、体温が高温期になったときに既に終わった排卵日を推測するということになります。
ですから、ポイントは継続した周期の傾向を把握することにあります。
それに対して、子宮頸管粘液から調べる方法は、
排卵日前の粘液の変化から来るべき排卵を予測します。
【排卵のタイミングを予測する方法その2】 子宮頸管粘液から推測する
子宮頸管の内側には粘液が充満しています。
この粘液の状態は、月経周期中、ホルモンの働きによって変化します。
この変化から膣粘膜の感触と膣粘液の状態から 排卵を予測しようとする方法です。
まずは、 どのように粘液の状態が変化するのか見てみましょう。
[第一期]
月経が終わったあとの3、4日間は膣粘膜が乾いた状態。粘液はない。
[第二期]
第一期のあと、膣は湿気が出て、少量の粘液が出ます。
粘液は不透明で、黄 色がかって粘り気があります。この状態が3、4日続きます。
[第三期]
膣が濡れて滑りがよくなります。
粘液の量も増え、透明で、卵の白身のよう な状態で弾力性があって滑らかです。
指先にとり、親指と人指し指でつまみ、
ゆっくりと離すと、糸を引いて4センチから15センチくらいに糸を引いて 延びます。
この状態が約3日続きます。この第三期が動物の発情期にあたります。
粘液の量が最後の日がもっとも多くなり、この日、もしくは翌日が排 卵日になります。
第三期のあと、膣は再度、第二期と同じ状態に戻って、2日程度続いた後、第一期になり、
次の月経まで続きます。
【排卵日を予測する方法その3】排卵日検査薬
排卵日検査薬は、ドラッグストアや薬局で購入可能です。
LHサージ※を利用します。
血中のLHの量を測定するのが正確ではあるのですが、
血液中のLHは20分後にその半分が尿に出てくることから、
排卵日検査薬は尿中のLHを調べることで、排卵日を推測するものです。
※LHサージとは?
排卵前にLH(黄体形成ホルモン)が大量に分泌される現象。
LHサージの後、15〜24時間以内に排卵すると言われています。
●基礎体温表、頸管粘液、排卵日検査薬の3つを併用して予測する
これまで紹介してきた基礎体温表、頸管粘液、排卵日検査薬の3つを 併用することで、
より正確な排卵日を予測することが可能です。

推測した排卵日の2日前と前日と排卵日の3日間、夫婦生活を持つようにします。
ポイントは、毎日、連続して行うことです。
前述したように精子の受精能力は、48時間であることを考えると、
2日に1回の夫婦生活で良いのではという考え方もあるようですが、
48時間というのはあくまで平均値であり、それよりも短いということも有り得ること、
より確率を高めるという観点から、毎日というのが望ましいと言えます。

 

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