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■間違った食生活が及ぼす影響
長期に渡って間違った食生活を送っていると、
妊孕性(妊娠する力)が低下してしまうことは、これまでの多くの研究や調査で明らかです。
2000年11月に報告された岐阜大学の1,100人の女性を対象にした6年間の追跡調査では、
緑黄色野菜を多く食べている女性ほど、閉経になる割合が低かったことが判明しています。
これは、活性酸素が卵の質を低下させたり、成熟を妨げることで、
酸化ストレスが閉経開始に大きく関与しているためではないかと考えられているようです。
閉経が早まるということは、妊娠する力が早くに低下してしまうことです。
また、2004年7月に実施されたイタリアのミラノ大学の1,000人の女性を対象とした調査では、
野菜や果物を豊富に摂取する女性は、子宮内膜症になりにくく、
逆に、食事に肉の割合が高い女性は、子宮内膜症になりやすいと報告されています。
日々、食べている物が私たちのカラダを作っているわけですから、
食べる物の内容や質、量、そしてそれらのバランスに問題があると、
カラダのバランスが崩れ、妊娠する力も低下してしまうのは当然のことと言えます。
■昔から現代への食生活の変化が妊娠する力を弱める
それでは、私たち、現代人に特徴的な食生活とは、具体的にどのようなものなのでしょう。
は、近くでとれた物を、そのまままるごと食べていました。
ところが、
現代では、世界各地の物を、工場で、精製し加工して食べるようになりました。
そして、どちらかと言うと、体を使う生活から、頭を使う生活になり、体を動かさなくなりました。
その結果は、
食べ過ぎ
全般的な傾向として、摂取カロリーが消費カロリーをオーバーしています。
微量栄養素(ビタミン・ミネラル)の不足
野菜の栽培方法の変化によるもの。そして、長期間の保存や食物を加工することで、本来食物が含むビタミン、ミネラルが損失します。さらには、微量栄養素の不足やバランスの崩れの最大の要因は、食物の精製です。白米、パン、白砂糖、精製塩等の精製食品は、精製する際に、本来自然なバランスで含んでいたビタミンやミネラルを捨てています。
必須脂肪酸の偏った摂取
過去の誤った植物油信仰が、“リノール酸の過剰摂取”と“オメガ3系脂肪酸の不足”を招きました。
食物繊維の不足
ファーストフード等の加工食品やインスタント食品の急激な増加、食物の精製が、私たちが食べる食物繊維の量を大きく減少させました。
多量の化学物質(食品添加物・農薬)の摂取

野菜や果物の残留農薬、食品に添加されている化学物質を、知らず知らずのうちに私たちの体内に多量に摂取するようになりました。

 
 
【現代版栄養失調】
栄養失調というと、日本では戦中戦後の食料不足の時代のことか、
飢饉に悩む発展途上国でのこととイメージしがちですが、
現実には、飽食の時代と言われる現代の私たちにも起こっている現象なのです。
カロリーは不足していないどころか過剰気味なのですが、
ビタミンやミネラル等の補酵素が不足しているので正常な代謝が行われにくくなっています。
また、ローカルホルモンである“プロスタグランジン”の元となる必須脂肪酸の摂取バランスの不均衡が、
さまざまなカラダの不調やアレルギーの原因となっています。
さらに、慢性的で極端な食物繊維の不足は、 便秘を招き、
体内の有害化学物質の排泄が滞らせてしまいます。
■妊娠しやすいカラダづくりのための食生活とは?
人間のカラダは、私たちが想像する以上に非常に精巧なメカニズムを備えています。
ですから、正しく食べて、このメカニズムがスムーズに働くようにしてあげることによって、
誰にでも本来的に備わった生殖力が正常に機能するようになれば、
妊娠するのは時間の問題です。
繰り返します。
妊娠することは、なんら特殊な能力やメカニズムを必要とするわけではありません。
私たちに備わった、当たり前なカラダの機能が働くだけでよいのです。
そのための食生活も、なんら特別な食材や調理法を必要とするものではありません。
“不自然”な食品や食べ方を“自然に近い”ものに見直すだけ、それだけです。
 
腹八分目
食事を制限すると細胞の老化を遅らせることが出来ます。それは、カロリーを制限することでミトコンドリアから発生する活性酸素の量が少なくなるからです。活性酸素は細胞の老化を促し、卵子や精子の質を低下させ、子宮内膜の状態をも悪化させます。活性酸素を抑えることで生殖細胞の老化を抑制します。
主食は未精製の穀物
精製されていない、自然のままの穀物は、栄養素や微量栄養素、食物繊維が最高のバランスで含まれています。精製することは、微量栄養素や食物繊維を捨ててしまうことで、、本来もっている栄養バランスを崩してしまうことになります。食べ物を精製せずに、そのままの状態でまるごと食べることこそが、自然の恵みを体内に取り入れることになり、本来備わった力を取り戻すことになります。
野菜と果物を多く、乳製品と肉は少なく
野菜と果物を多く食べ、乳製品と肉の量が少ない食事が、妊娠を妨げる病気にかかりにくいカラダを作ることは、これまでのさまざまな研究で明らかです。それは、植物に含まれるビタミン、ミネラル等の微量栄養素以外の何千種類にも及ぶ植物性化学物質(ファイトケミカル)と呼ばれる生理活性物質を摂取できるからであると考えられます。多くの種類の野菜を豊富に食べることは、そこに含まれる天然の生理活性物質を豊富に摂取できることになり、活性酸素を抑える抗酸化作用をはじめとして、人間が生きていくうえで必要不可欠な働きが期待できるようになります。
摂ってはいけない脂肪・減らしたい脂肪・もっと摂るべき脂肪
摂ってはいけない脂肪は、マーガリンやファ−ストフード、スナック菓子のショートニング、調理済食品等に含まれるトランス型脂肪酸。トランス脂肪酸とは、保存を効かせるために水素添加された自然界には存在しない人工の不自然な脂肪酸のこと。減らしたい脂肪は、動物性の脂肪や炒めたり、揚げたりする際に使うサラダ油等に含まれるリノール酸に代表されるオメガ6系列の脂肪酸。そして、もっと摂るべき脂肪は、魚油や亜麻仁油、シソ油に代表されるオメガ3系列の脂肪やオリーブ油です。特に必須脂肪酸の摂取バランス(オメガ6とオメガ3の摂取バランス)が崩れると、それらから代謝されて生成されるプロスタグランジンのバランスに影響を及ぼし、生殖器官内に炎症がおこりやすくなったり、免疫機能を狂わせたりします。
砂糖の入った食べ物を控える
甘いもの、清涼飲料水を過剰に摂り続けると、上昇する血糖値を調整するためのインシュリンの過剰分泌状態を招きます。過剰なインシュリンは卵巣に作用して、アンドロゲンの産生を促進するため、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因となり、排卵障害を招くおそれがあります。
大豆食品を食べる
大豆の胚芽部分に含まれる植物性のポリフェノールのひとつであるイソフラボンは、その化学構造が女性ホルモンのエストロゲンとよく似ているために、植物エストロゲンと呼ばれることがあります。それにより、体内で、エストロゲン、抗エストロゲンの両方の働きをするのが最大の特徴です。それは、エストロゲンが不足しているときには補充し、過剰なときには抑制し、バランスを整える働きがあるということです。食品としては、納豆、豆腐、油揚げ、きな粉、枝豆、煮豆、豆乳、黒豆等です。
 
正しい食生活で妊娠しやすい体をつくる

・主食は玄米(五分搗き)7割

雑穀(麦・ひえ・あわ・きび・アマランサス等)3割

・副食は、旬の野菜中心
・大豆食品を毎日食べる(※1)
・揚げ物にはオリーブ油、サラダに亜麻仁油、おやつにナッツ類
・魚は週に3回以上食べる
・マーガリンやショートニングは摂らない
・白砂糖入りのお菓子や清涼飲料水は出来るだけ控える
※1)1日にとるイソフラボンを40〜100mgを目安とする。納豆1パック40mg、豆腐1/2丁50mg、
油揚げ大1枚25mg、きな粉大さじ山盛り1杯50mg、豆乳1カップ45〜65mg。
 

【主な参考文献】
1.粗食のすすめ(幕内秀夫著・東洋経済新報社)
2.癒しの食事学(帯津良一/幕内秀夫著・東洋経済新報社)
3.新・実用ビタミン栄養学(ジェムズ・スカラ著・小学館)
4.Natural Solution to Infertility (MARILYN GLENVILLE,PH.D.)
5.Getting Pregnant Naturally(WINIFRED CONKLING)
6.Conquering Infertility (ALICE D> DOMAR,Ph.D.,)
7.Getting Pregnant What you need to know right now (NIELS H. LAUERSEN, M.D.,Ph.D., )
8.The Infertility Diet : Get Pregnant and Prevent Miscariage(FERN REISS)
9.Fertility Cycles and Nutrition(MARILYN SHANNON)

 
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